探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

【ネタバレあり】映画『あの頃。』コミックエッセイを実写化。ハロプロ世代にはたまらない懐かしさ!

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熱狂的なハロプロファン達の友情と青春を描いたコメディ映画。

特に見どころはないんだけど、メイン俳優一人一人の演技が良かったしキャラクターが面白いからそこでカバーしていた感じ。でも、最後まで飽きずに観ることが出来ました。

 

youtu.be

私の学生時代にも、ジャニーズの追っかけ、いわゆる”オリキ”がいたり、アイドルの盛り上がりもすごかったから主人公達の姿は微笑ましかった。

 

同世代だったら絶対思わず口ずさまずにはいられないキャッチーなハロプロの曲を、もちろんわたしも口ずさみながら鑑賞しておりました。笑

前情報無しに観たからちょっとびっくりしたけど、なんとも懐かしい気分にさせてくれる映画でした。

 

一緒に見ていたカナダ人はあんまり面白くなかったみたい。そりゃそうだろな。笑 

あのオタクカルチャーって日本特有よね。

 

 

 

あらすじ

2003年。大阪に住んでいた頃の劔樹人は、大学卒業後も就職できずに心が弱って居た。余りにも凹んでいた劔に心配した友人が差し入れてくれたDVDに収録されていた松浦亜弥を見て劔は救われた。劔はその勢いでハロプロオタクの集まりである「ハロプロあべの支部」のイベントに出向くことになる。

 Wikipediaより

 

監督:今泉力哉

 

キャスト

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劔【松坂桃李】

大学卒業後も就職できず、バンド活動もうまくいかずに心が弱って居たが、友人にもらった松浦亜弥のDVDに救われハロプロファンになる。

 

劔はひたすら優しくて穏やかでいい奴だった。

松坂桃李って、本当はすごくかっこいいのにそれを感じさせないナチュラルな演技がいいよねー。

 

コズミン【仲野太賀】

口が悪くプライドが高く、劔と仲がいい。ネット弁慶で背が小さいことがコンプレックス。 

 

生意気な嫌われ者だけど、なぜかみんなに愛される。

こういう不器用な人いるよなー、と思わずにはいられない仲野太賀の再現力すごい。

 

ロビ【山中 崇】

推しが誰かを言い当てるのが得意。

 

変わり者だけど、みんなをまとめようとするアニキ的な存在。

個性の強いみんなを中和するような存在だったと思う。

 

西野【若葉竜也】

モー娘。の石川梨華ファン。マイペース。

 

彼の不思議で掴めない空気感が好きだった。

毎回サッカー部みたいな格好してるのが気になった。笑

 

ナカウチ【芹澤興人】

剱をハロプロイベントに誘った張本人。書店で働く。

 

一番真面目でまともなメンバーだった。

特に剱を気遣う姿に優しさを感じたなー。

 

イケウチ【コカドケンタロウ】

メンバー内のいじられキャラ。連続首締め魔の似顔絵にそっくり。

 

コカドさん初の映画出演らしいけど、結構しっくりきてた。

こういうタイプはオタクの中にいそう。

 

 

感想【ネタバレあり】

”あの頃”感

形は違えど、劔たちの友情や青春を味わった人は幸せだと思う。

「あの頃楽しかったよねー」っていう時期ってまさにその瞬間だから成り立ったもので、それが時の流れとともに少しずつ変わっていくのは切ない。

 

ハロプロも、劇中のあややの曲も全部世代ど真ん中で、曲が流れるだけで懐かしくてしょうがなかったけど、今考えると彼らめちゃくちゃ若いのね!

今思えば、アイドルやらせるにはちょっと危険なんじゃないかと思う若さ…

 

でも、いつまでも”あの頃”に浸っていると取り残されてしまうこともある。コズミンがそれに近いところあったかも。

劔は結局東京に出て音楽の仕事を始めるわけだけど、他のメンバーはどうなったんだろうか。

 

オタクカルチャー

彼らのように、友情はほんとに些細な共通点から始まったりするもので、ハロプロという共通点はあったものの、それだけじゃない絆も感じた。

 

当時はおそらくまだオタクは別世界の人間みたいな偏見が(今もか)あったと思う。

やっぱり少しアウトローな存在で、「ハロプロあべの支部」は、誰にも負けないくらいハロプロ熱があるけど、社会の標準的な枠にはハマれない彼らが安心できる場所でもあったんだろう。

結局、そういう人たちの方が普通の人より面白かったりするんだけども。

 

友情

全員の独特なキャラクターとその調和がすごく自然で面白かった。イケメン俳優が多いのに、今作を見ている間そんなことは一切どうでも良かった。

本当の友達同士みたいだったなー。

 

コズミンがもうひたすら嫌な奴で、でもこういう不器用な人いるよなーってタイプの拗らせた大人なんだけど、なぜかみんなに愛されているのがなんか良かった。みんな優しいんだよなー。笑

 

アールの彼女を奪おうとしたこと責められてたけど、コズミンをいじめるのではなく仲直りするという流れが微笑ましかった。

てか、彼氏いるのに他の男に思わせぶりな態度をとる彼女も責められるべきでは!?!?

 

まとめ

ハロプロの誰かがゲスト出演したりするかなーとか思ったけど、それはなし。

あやや役の山﨑夢羽さん似てた!!石川梨華も卒業時二十歳だったんだーと思ったらすごくびっくり。当時はわかってなかったなー。

 

エッセイを映画にしてるから、ストーリーだけ考えたらかなり平凡で見どころも特にはないんだけど、キャラクターの個性とオタクのテンションが面白くて最後まで飽きずに観れました。

大学のオタク達のシーンすごかったなー。あの人たちどこでキャスティングしたんだろう。笑

 

評価


☆星 3.2 個/ 5 個☆

 

*役者達のキャラクターの個性がすごい。特に仲野太賀!!

*特に盛り上がりなくスーッと終わってしまった。

映画『ブラック・ウィドウ』ナターシャのリバイバル!大迫力のアクションとビター&スイートな過去との再会。

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MCUをずっと追ってきたファンとして、これを観てしまったら一つの時代の終わりを認めることになるような気がして迷いもあったけど…

結局待てず。 笑

 

勝手にナターシャがアベンジャーに加わる前の話だと思っていたら、アベンジャーとして有名になった後に過去と対峙するストーリーだった。

 

ブラック・ウィドウは元々謎の多いキャラクターだったし、特に家族や過去のことはアベンジャーズ内でも詳しく触れられることはなかったから、今回の作品ではあえて家族(仮)を集めた作品にしたのかな。

 

とにかくアクションの迫力は凄かったし、女性戦士たちがみんな美しくてかっこいい!!

アレクセイうらやまし。笑

 

 

 

 

あらすじ

ブラック・ウィドウの前に突如現れた“妹”エレーナ。
姉妹は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織レッドルームの秘密を知ったことで命を狙われる。
唯一の味方は、かつて組織が生み出した“偽りの家族”だけ。
だが、この家族の再会によって、レッドルームの恐るべき陰謀が動きだす!
ブラック・ウィドウの作られた過去との戦いが、世界の命運を握る。

作品・キャスト情報|ブラック・ウィドウ|マーベル公式より

 

 

キャスト

ナターシャ(ブラック・ウィドウ)【スカーレット・ヨハンソン】

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レッドルームで訓練を受けてきた暗殺者でアベンジャーズの創設メンバー。

 

クールでセクシーなエージェントを相変わらず美しく演じたスカーレット。

これで最後かもと思うと悲しいけど、最後まで彼女の存在感の大きさを見せつけられた作品だった。 ありがとうブラック・ウィドウ!!

出演作:『ゴースト・イン・ザ・シェル & GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、『LUCY/ルーシー』など

 

エレーナ【フローレンス・ピュー】

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ナターシャの”妹”。

ドレイコブのもとで働くレッドルームの暗殺者”ウィドウ”。

 

”ザ・妹キャラ”な彼女のキャスティングは正解だったと思う。 SNSで見るフローレンスの自然体な姿が役にも現れていたと思う。ナターシャとの姉妹なやりとりが最高!

出演作:『ミッドサマー』、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』など

 

アレクセイ【デヴィッド・ハーバー】

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ナターシャの”父”。

ロシアのスーパー・ヒーロー”レッド・ガーディアン”で、キャプテンアメリカに対抗心を燃やしている。

 

ストレンジャー・シングス 未知の世界』でヒットしたデヴィッド・ハーバー。今回は役作りのためにだらしない中年オヤジ体型に。笑 でも実は娘役のスカーレットと10歳も変わらないという。

最近イギリス人歌手のリリー・アレンと結婚!

出演作:『ヘルボーイ』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』など

 

メリーナ【レイチェル・ワイズ】

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ナターシャの”母”。

科学者でもあり、マインドコントロールについて研究を行なっている。

 

あのレイチェル・ワイズが、まさかMCUに登場するとは。『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』のイメージか、かわいらしいキャラが似合う女優さんだと思ってたけど、クールでスマートなメリーナかっこよかった。

出演作:『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』、『コンスタンティン』など

 

感想【ネタバレあり】

家族の再会

今作のサイドストーリーは、ナターシャの「作られた家族」との関係。

血は繋がっていないし、あくまでもミッションとして家族を演じていた4人だけど、それぞれの気持ちはありながらもお互いを助け合って悪を倒すミッションに立ち向かっていくという。

 

愛情たっぷりな仲良し家族じゃなくても、さっぱりした関係だけどいざという時には助け合うナターシャ達のような家族の形も素敵。家族の形に正解なんてないし、絆は築き上げていくものだというメッセージを感じたストーリーだった。

 

最初に出てきた青い髪の中性美少女、この子只者じゃないな、と思っていたら、なんとあのミラ・ジョボビッチの娘エバーだった!!

ママそっくりなことで有名なエバー、青い髪も個性的だし何よりあの澄んだ瞳が素敵。

 
 
 
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ロシアのアクセント

途中から急に出てくるロシアンアクセントばっかり気になって、気が散ってしまった(台詞も聞きづらい)。

どの俳優さんもある程度有名だし、みんなアクセントなんか無いのも知ってて観てるのに、不自然なアクセントでジョークとか言ってると正直シラけてしまう。(日本語吹き替えで観たかったかも)笑

 

ブラックパンサー』の時もウガンダのキャラクターに強いアクセントがあったけど、今回のナターシャの家族はみんなアメリカでスパイ活動していた上に、1995年の時点では一切なかったロシア語のアクセントが後になって急に出てくることに違和感しかなかった。

(アメリカ映画がキャラクターに無理矢理アクセントつけるのは、ある意味差別的な気もしちゃうんだけど…考えすぎなのかなー。)

 

フローレンス・ピューのエレーナのキャラがインスタで見れる自然体な彼女と合ってるし、強くて生意気だけど憎めない妹感がほんとにぴったりだったと思う。

ナターシャとエレーナの”ザ・姉妹”なやりとりもかわいい。

 
 
 
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ブダペストの謎

アベンジャーズ』の中でもブラック・ウィドウとホーク・アイとの会話でよく出て来た"ブダペスト"

今作でその真相が明かされるらしいって噂を聞いていたのに、分かったのはブダペストのアパートでホーク・アイが3発矢を撃ったのと、地下鉄の天井に数日二人で隠れていたことだけ。ミッションの内容も二人の当時の関係は結局分からず仕舞い…泣

 

マーベルは、スカーレット・ヨハンソンと今後も契約を継続したいと言っているみたいだし、またこれについては今後『ホーク・アイ』のスピンオフで語られるのかもしれない…

 

ブダペストでの姉妹の戦闘シーンもかっこよかったなー。とにかく今回はアクションがかっこいい&美しい。女性同士の戦闘って、華奢な女優さんが動きに振り回されちゃって残念な時もあるけど、ここまでガッツ本格的に戦ってくれるのは嬉しい!!

MCUのアクションは、「絶対ありえないよなー」と思いながらもワクワク観てしまう。笑

 

ヴィラン

レッドルームのヴィラン、ドレイコブ【レイ・ウィンストン:『ベオウルフ/呪われし勇者』など】がなんか物足りない。謎が多いっていうのもあるけど、ヴィランとしての"バックストーリーの深み"がイマイチ感じられなかった。

でもドレイコブの狂気を感じさせるレイ・ウィンストンの演技は素晴らしかったと思う。観てて超ムカついた。笑

 

ナターシャが昔殺してしまった娘(アベンジャーズの映画内でロキにこの件を蒸し返されるシーンあり)が、タスクマスター【オルガ・キュリレンコ:『007/慰めの報酬』など】として帰ってくるのはちょっとずるい気もするなー。「ナターシャに間違いを正すチャンスを敢えて与えちゃうんだ」ていう。間違いを抱えながら生きるナターシャもよかったのに。

 

ブダペストの伏線があったから、最初は「あれ、ホーク・アイ!?」と思ってしまった。あの中性的なシルエットは、作り手もそれを狙ってただろうなー。(劇中エレーナも”He”って言ってるし)

 

レッドルームの詳細についてももうちょっと掘り下げて欲しかったかなー。最初はロシアのスパイ養成所かと思ってたけど、結局女性オンリーの暗殺者団体(ロシア関係ない)に変わってしまったということだったんだろうか…

 

ラスト、エレーナが(なぜか)超愛用しているいわゆる”おっさんの釣りベスト”をナターシャにあげるシーンはかわいかったな。あのベスト、ナターシャが着るからかっこよく見えるのよ。笑

 

 

評価


☆星 3.6 個/ 5 個☆

 

*アクションが大迫力でウィドウ達もめちゃくちゃかっこいい。

*スーパーヒーロー(ヒロイン)映画としてはヴィランの存在感が弱め。

映画『おらおらでひとりいぐも』一人暮らしおばあちゃんの毎日を描いたほっこり映画。

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そういえば、ブログのタイトル変えました。

最近はミステリ&サスペンスばかりでもないので、”探偵”を押しすぎないタイトルに。(またすぐ変えるかも笑)

 

2020年公開。監督は『横道世之介』、『南極料理人』、『モリのいる場所』など、素朴で温かい作品が得意な沖田修一監督。

個人的に『モリのいる場所』はすごく好き。山崎努さんの演技が素晴らしかったのもあるけど、数年たった今でもふと思い出してしまう素敵な作品でした。

 

最近なかなか邦画を観る機会が無かったんだけど、この手の映画はやっぱり日本の映画特有だよなーと思う。

特に大きな事件が起きるわけではなく、日常を追うだけのシンプルなストーリー。それがいい。

 

原作は第158回芥川賞と第54回文藝賞をダブル受賞した若竹千佐子さんのベストセラー小説。

 

タイトルからも分かるように主人公の出身地岩手の方言がいっぱい出てきます。ほっこりする。(自分東北出身ではない笑)

この映画を見た後には、おじいちゃんあばあちゃんや両親に電話したくなるはず。

 

 

 

あらすじ

75歳の桃子さんは、突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。しかし、毎日本を読みあさり46億年の歴史に関するノートを作るうちに、万事に対してその意味を探求するようになる。すると、彼女の“心の声=寂しさたち”が音楽に乗せて内から外へと沸き上がり、桃子さんの孤独な生活は賑やかな毎日へと変わっていく。

おらおらでひとりいぐも : 作品情報 - 映画.comより

 

キャスト

桃子さん(現在)【田中裕子】

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75歳、夫に先立たれ一一軒家で人暮らしをしている。

 

髪も白く、すっかりおばあちゃんな田中裕子さん。

でも、桃子さんの生活はまさにうちのおばあちゃんのようなリアルな毎日で、生活感満載なところも面白い。おばあちゃんだけど、肌の張り艶が綺麗で羨ましいかぎり。笑 

 出演作:『夜叉』、『天城越え』など

 

桃子さん(過去)【蒼井優】

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岩手から上京し、夫・周蔵【東出昌大:『コンフィデンスマンJP』など】と結婚。二人の子供に恵まれる。

 

蒼井優さん、わたしがここ数年で観た邦画のほとんどに出てた!本当に日本映画の80%の作品には出演しているんじゃ無いかと思う。笑

今作ではピュアでかわいい田舎娘を好演。かわいいよなー、年取らないよなー。

出演作:『宮本から君へ』、『スパイの妻』など

 

寂しさ達【濱田岳、宮藤官九郎、青木崇高】

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桃子さんの心の声として登場する 謎の3人組。

 

なぜこの3人なのかは謎。なぜ3人いるのかも謎。笑

孤独から、自分で自分と会話を始める桃子さんの「寂しさ」として現れる精霊のような彼らがちょっとうざいような愛しいような…

宮藤官九郎:『バクマン。』、『ぼくのおじさん』など

濱田岳:『アヒルと鴨のコインロッカー』、『世界から猫が消えたなら』など

青木崇高:『真珠湾からの帰還〜軍神と捕虜第一号〜』、『ちかえもん』など

 

感想【ネタバレあり】

老いを考えさせられる

この作品は若者が見ても響かないかもしれない。

 

「ここまで生きてきて、あとこれくらい残っていて、ある程度の頃を成し遂げてきたけど今から一念発起して頑張るほどの気力と体力は残っていない。」

そんな年齢の人が見ると、桃子さんの姿はまさに自分の未来(もしくは現在)を見ているようで少し切なくなるはず。

 

わたしは、桃子さんの姿を見て今後の人生とか健康とか老後とかを考えずにはいられなかった。

 

一筋縄ではいかない家族

愛する人と幸せな結婚をして子供に恵まれて、側から見たら幸せで自由な老後を送っているようにも見えるけど、実際はそう甘くないのが人生なんだなと。

一切出てこない桃子さんの息子は大学を中退してから絶縁状態だし、近くに住む娘が訪ねてくるのはお金に困った時だけ。

 

時折息子の幼い時の記憶を思い出しながらも「もういないものと思っている」と人に言ったり、息子のフリをしたオレオレ詐欺に引っかかってしまったりと、息子もことをどうしても忘れられない桃子さん。いつか彼がフラッと帰ってきてくれるといいね。

 

夫とは仲良かったんだろうけど、夫が死んで誰からも必要とされなくなってしまった桃子さん。付き合いがいいわけでもなく、古代の生き物好きという変わった趣味を共有できる人もいない。

 

夫が死んで「自由になった」というけれど、夫の死を受け入れて前に進むために自分に言い聞かせていることでもある。

切ないけど事実。同じ立場だったらわたしこんなに強く生きていけるかなー、と思ってしまった。

 

 

まとめ

正直、映画よりも本で読んだ方が面白かっただろうなーと。映像にするとちょっと「???」なシーンも多かったので。

 

冒頭にも途中にも、恐竜やら原人が出てきて謎だったけど、個人的には違和感しかなかった。笑

重くなりそうなテーマをコミカルに見せるための演出でもあったのかも。

 

日常を描いているから大した出来事もないし淡々と進むストーリーだけど、ここまで抑揚がないのに2時間以上の長さがあるとちょっと飽きちゃう…

でも、ラストに孫が訪ねてくるところはなんかグッときたなー。孫との会話、自分は確かに何かに影響を与えていて、それは何世代にも続いていくかもしれないんだっていう未来への希望と自分の人生に対しての誇りみたいなものを感じさせるシーンだった。(実は深い)

 

桃子さんが毎朝作る目玉焼き。焼くときに水を入れて蒸らすのを見て不思議がっていた、うちのカナダ人夫。

今作を観た次の日の朝ごはんには、水で蒸らした目玉焼きを作って食べました。笑

 

評価


☆星 3.2 個/ 5 個☆