探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

映画『Emily The Criminal』崖っぷち女がはまっていく、ハラハラドキドキのクリミナル映画


ちょっと前に日本に帰りまして、飛行機で観た映画です。

 

本当になんとなーく観た作品ですが、観終わった後は衝撃大だったので、日本でも公開される可能性を考えて感想を。

なんかなー、日本では公開されない気がするなー。日本で有名な俳優さんは一切出ておりませんので。

と思ったら12月にNetflixでも公開されましたね。

 

それでも、リアリティのあるストーリーと焦燥感、ヒューマンドラマがなんとも言えず良いの!!

あとは、とにかく主人公エミリー役オードリー・プラザの演技が素晴らしかったのよ。

 

 

あらすじ

アーティストになる夢があるが、借金や日々の生活に精一杯のエミリー。

ある日偶然謎の集まりに参加したことで、彼女は犯罪に手を染め始める。

 

感想(ネタバレなし)

とにかく主役の演技力が光っていた今作。

エミリーの無鉄砲でタフな性格にハラハラしつつも、なぜか応援したくなってしまう?犯罪ドラマ。笑

 

エミリーのような人って、実はめちゃくちゃいるんだろうなーと。

特にアメリカみたいな国には。

今作みたいに犯罪者担うという意味ではなく、その日暮らしをしながらギリギリの生活をしている人たち。そこで、どうしてもお金が必要で、危ない橋を渡ってしまうっていう。

 

ストーリーもなかなかリアルだし、犯罪の内容も、そこに潜む危険もリアル。

 

ヨセフ役のテオ・ロッシも、人の善さそうな感じがなんともハマり役だったし、有名な俳優さんは多くないのに、みんな演技が光ってるのよ!

 

最初から最後まで、適度なハラハラ感。

エミリーにも共感できるし、彼女のタフなかっこよさも応援したくなる。

 

派手な映画ではないけど、繊細に作られたヒューマンドラマです。

 

ーーネタバレここからーー

 

 

感想【ネタバレあり】

ストーリーがリアルで、展開もリアルで、登場人物もリアルな、ドキュメンタリーみたいなローキーな映画だった、

 

ラストはちょっと呆気ない気もしたけど、なんかリアル(言い過ぎ)なんだよなー。

最後のヨセフがあっけないし可哀想すぎたけど、この流れでしか、あの塩なラストに導けなかったんだろうな。

 

ヨセフのママが、「自分が何かを知ることが大事」みたいな話をしていたシーンが、最後に思い出されて、だからタイトルが"エミリー・ザ・クリミナル(犯罪者エイミー)"ってことなんだろう。

 

彼女には詐欺が向いていて、逃亡先で組織をまとめるほどになるっていう。

あのラストはあっけないながらも、エミリーにはピッタリな最後だったと思う。

あれ以外でエミリーがどうにか幸せになる方法なんてなかったんだと思う。こうするしかあのギリギリの生活から抜けられなかったんだと思う。

 

こんなにドライな映画だけど、見終わってから色々考えさせられてしまった。

というのも、やっぱりストーリーや登場人物ににリアルさ(まだ言う)があるからだと思う。

そして、出てくる犯罪者もみんながみんな心底悪人だと言うわけではないことも、なぜか感情移入してしまう理由かも。

 

エミリーの不器用さと崖っぷち具合、世間の世知辛さにちょっと切なくなるけど、悲しいだけではない彼女の強さにも心を動かされる。

 

 

映画『ジェントルメン』ギャングの紳士的(?)かっこ良すぎるドタバタ抗争コメディ

お久しぶりです。

ちょっと日本に帰っていまして、向こうが楽しすぎて全然映画観る暇無かったんですが(?)、唯一観たのがこれ!!

久々のレビューです。

 

結構長いからって、見るタイミングを見計らってたんだけど、その長さを感じさせないストーリー展開で、飽きることなく最後まで楽しめました。

 

ガイ・リッチーの映画はすごく好みなんですが、今作もまた面白かった!今作は脚本も原案もけれが手がけているよう。

コメディ調ながらもストーリーが凝ってるし、カメラワークも雰囲気もおしゃれ。登場人物の遺書がいちいちオンポイントだったし、かなり好みだった。

そして、ジョークと本気のギリギリをいく謎の演出にもニヤニヤしてました。

 

紳士(ジェントルマン)といえばイギリス人だけど、登場するのは”外国人”達(マイケルはアメリカ人だし、中国マフィアとロシアンマフィアも出てくるし)。インターナショナルな時代ですからね。

で、結局みんなが怖いのはロシアンマフィアなんだなっていう。笑

 

作品自体は長いけど、ストーリーが次から次へと展開していくから、飽きることなく観ていられました。キャラクターがいちいちみんな濃くて面白い。

そして、最後はどんでん返しが止まらない。笑

 

!!追記!!

ネットフリックスで、ジェントルメンがドラマ化!!

こちらもガイ・リッチーが手がけていますが、ドラマ版のキャスト総入れ替え(主演はテオ・ジェームズ)で、ストーリーも設定もちょっとずつ異なっています。

こちらも見たらレビューいたしますー!

 

感想【ネタバレあり】

ストーリーの最初から最後まで、マイケルがいかに優秀な犯罪者でビジネスマンかを証明する映画です。要は。

その成功の裏にはやっぱりいつも、優秀で忠実な部下達の存在があるわけだけど。

 

マイケル役のマシュー・マコノヒー、さすが存在感が違いますよ。

そしてとにかくスマートなのよ、計画が。貴族を味方につけるところやら、地下の施設やら。。。

実は、ヨーロッパでは近頃本当に貴族の末裔達が祖先が立てたお城や土地のせいで破綻するっていうケースはよくあるらしいですよ。

 

まず、レイとフレッチャーのやり取りからストーリーが始まって、嫌味な会話に少しずつ引き込まれていく。

フレッチャーのウザさと悪賢さはピカイチなんだけど、後半に進むにつれて状況は錯綜していって、二人の駆け引きが面白くなっていく。

 

ヒュー・グラントは勝手にラブコメとかのイメージが強いんだけど、こんなウザ親父の役もできるのね。甘いマスクで世界中を魅了していたあの頃がちょっとだけ懐かしいけど。。。

色眼鏡かっこよかったけど、最初は「誰!?」てなった。よりフレッチャーの悪賢さを際立たせててよかったわ。

 

レイ役、チャーリー・ハナムのメガネ姿かっこよかったなー。レイはひたすらいいやつなんだよねー。お茶目なところもあるし。フレッチャーとのやりとりも、可愛くてニヤニヤしてしまった。

しっかりマイケルの右腕として働く忠実は手下であるレイ。ローラを連れ戻すミッションのシーン見て、犯罪組織で働くって結構大変だなー、とか思ってしまった。笑

 

中国マフィアは、マイケルとレイの関係とは対照的に、静かに怖いジョージ卿とドライ・アイのコントラストがよかったけど、マイケルがジョージ卿と対面するシーンがもうびっくりで笑っちゃった。簡単に裏切られて殺されちゃうジャージ卿、ちょっと可哀想だったなー。

 

『クレイジーリッチ』のヘンリー・ゴールディングが、今までとは雰囲気ちがうぶっ飛んだ役どころだったのが印象的。彼の”ジェントルメン”感を期待してたのに、まさかこんな役とは。

最後まで嫌なやつだったなー、ドライ・アイ。てか、なんだよその名前。笑

 

コリン・ファレルは、単に巻き込まれただけの一般人かと思いきや、ギャングの仕事めちゃ向いてるお人好しおじさんだった。絶対昔なんかそっち系のことやってただろ。笑

 

正直、コーチとボクサーたちの立ち位置は謎だったなー。一番のコメディ要素ではあったんだけど、この映画に本当に必要だったんだろうか?でも、コメディとしてこの作品を作ろうとしたら、こんなジャージ集団でも入れてみるか、となるかもしれない。彼らは愛されキャラではある。確かに。

 

あ、そうだ。マシュー役のジェレミー・ストロングもいたわ。笑

マシューは、成功してる割にはあんまり凄腕感ないなーと思った。(失礼)

彼は、最後にマイケルに、凍死するか自分の肉をえぐり取るか選べって言われてるシーンが一番印象的で、マイケルのこの提案復讐が一番クールだな、と思った。これはもう逃げ場ないでしょ。最高でしょ。笑

 

そんな強面マフィア?達に負けず劣らずかっこよかったのが、マイケルの妻、ロザリンド役のミシェル・ドッカリー!!

この二人の”パワー・カップル”感はものすごいよ。


ロザリンドは、マイケルとの関係もそうだし、自分もビジネスウーマンとして成功していて頭がキレる彼女の堂々とした姿は、ほぼ紅一点の今作でも存在感あった。

 

あの低い声とアクセントがかっこいいのよ、この人は。『ダウントン・アビー』ファンとしては、この人からメアリーを引き離すのに毎回苦労するんだけど、どんな役でも彼女の個性を活かしながら、役にぴったりで期待通りの演技をするんだよね、この人。かっこいいよーーーー!!

 

今作は、評価がものすごく高かったわけでもないし、”超ヒット”したわけでもないですが、それは、ジョークを織り込みすぎた演出のせいじゃないかなー。ちょっと味濃すぎたかも、て感じ。

 

私は嫌いではなかったけど、コメディとして作らなくても面白い映画になったと思うの。

このストーリーをもっとシリアスに作るか、少しだけコメディ要素を差し引いていたら、それもそれでかっこよかったと思うし。

でも、面白くなかったわけでもない。十分楽しめた。

 

とにかく、いろんなことが立て続けに起きて、いろんなキャラクターが登場して、ヒッチャカメッチャカになていくんだけど、最後は後味良く収めてくれるという、気持ちのいい映画でございました。

 

 

 

 

Netflix『エコーズ』ネタバレあり!双子姉妹の秘密と、家族の闇。ドキドキサスペンス!!

”おすすめ度99%”だったから、見ずにはいられませんでしたよ。

予告だけ見た時も、保安官のキャラクターが最高だったから、週末の夜に一気見してしまいました。(もはや恒例)

 

双子の狂気的な絆と入れ替わりっていう割とありがちなテーマではあるけど、結局それが面白いからこれだけの作品があるのでは…

ただね、レビュー的には賛否両論な感じ。

 

Googleの評価だけ見ても、星5つと星1つの評価がほぼ同じくらいあるのよ。笑

でも、わかる!!5話くらいまでだったら星5つつけてたわ、私も。ただね、ラストがね…

そこで評価分かれると思うんだ。

双子とその夫たちの関係も、好き嫌い分かれると思う。結構不気味で胸くそ悪い話だし。

 

見ていくと分かるんだけど、”エコーズ”は双子が育った町の名前で、言葉としても二人の関係を表しているような、なんとも不思議なタイトル。

 

余談ではあるけど、これ見てて思い出したのが、ドキュメンタリーの『本当の僕を教えて』。
全く別の話ではあるけど、双子の片割れを秘密から守ろうとする愛に溢れた話。このドキュメンタリー、本当におすすめ。映画のような本当の話です。

mobayuri.hatenablog.com

 

 

 

キャスト・キャラクター

レニ・ジーナ双子の一人二役を演じたミシェル・モナハン

さすがの演技でしたよ。サイコなレニと、ナイーブなジーナの関係性は、双子でこれだけ繋がりが強かったらトキシックだよね。

 

レニは幼い頃のトラウマがあることがわかってくるんだけど、それが結局どうジーナへの執着に繋がっていったのかが微妙。もっと深い何かを期待してしまってたから、余計しっくりこなかったのよ。

話が進めば進むほど、双子の関係の異様さがわかっていって、感情移入できない。笑

 

しかし、このシリーズのスターは俄然クロス保安官役のカレン・ロビンソンだね。

あのうざさと滑っとした話し方がなんとも!

 

そもそも、田舎町の警察官役が二人とも女性っていうのは新しいよね。しかも二人ともキャラクターとしていい仕事してるのよ!超適役だったと思う。

 

ジーナの夫チャーリーがすごく冷静で、むしろこの奇妙さを楽しんでいるような感じが私には理解できなかったのよね。

 

ジーナの元カレ・ディラン(ジョナサン・タッカー)のこともあっさりと許してしまうし、これは大人なのか?それとも感情の振れ幅が少ないのか?笑

それにしてもチャーリー役のダニエル・サンジャタ渋くてかっこよかったなー。

 

もちろん、ジャック役のマット・ボマーは正統派イケメンだから、少女時代から双子で取り合っていたっていうのは理解はできるんだけど(おい)、夫婦関係までシェアしてるのが不気味なのよ。

 

そして、Gleeにも出てた双子の姉クラウディア役のアリ・ストーカーのジーナへの嫌悪は見ていて清々しい程。笑

もうちょっとこの姉妹感の関係性を掘り下げても面白そうだったんだけどなー。前半あんなに匂わせておいて、最後はあっけなく無理やり集結してしまった感じだったし。

 

お父さん(マイケル・オニール)の最期のシーンもそう。レニのトラウマが明らかになる重要な場面だったのに、レニは父親よりずっとジーナのことばかりでむしろ可哀想だったわ。

 

あらすじ

何度も言うけど、前半は良かったの。

 

双子が入れ替わっていることが分かるとよりハラハラして楽しめたし、レニの話だけ聞いてると、ジーナが問題アリなように聞こえるんだけど、レニの闇の方が遥かに深いという。

 

正反対な生活を送る絆の強い双子と、悲しい家族の歴史、みんながみんなと知り合いな小さな田舎町で起こる事件…サスペンスの面白い要素は全部揃っていたと思う。

でも、双子の関係がちょっと気味悪い感じがしちゃったんだよね。

 

アメリカのネトフリサスペンスの悪い癖は、なんでも絶妙にセクシャライズしてしまうところなのよ。役者に体張らせるよりも、最後までプロットちゃんと書いてくだいさいよ!(誰)

 

レニ目線で始まってから、ジーナ目線に変わって少しずつ真相が明らかになるのは面白いんだけど、(どんな話にも裏と面があるのよ結局。)観ている側はもうトリックがわかってるから、特に後半の2話はむしろなかなか答えに辿り着かない保安官達がもどかしいのよ。

 

だからぐだぐだしちゃったんだろな。

 

最初の数エピソードはすごく面白くて引き込まれたの。で、後半からどうやって収集つけてくれるんだろうと楽しみにしてたのに、変な曖昧さを残したまま終わってしまった感じ。

滝のシーン、CG感が凄くてもはやストーリーに集中できなかったわ。笑(あるある)

 

レニはあれだけ悪事を働いておいて簡単に逃げ切れてしまったことも、モヤモヤ。

 

最終的に、双子のどちらにも感情移入できず

双子の関係ってそもそも当人以外にはわかりにくいのに、自分のことしか考えていないジーナとレニの選択が”逃げる”ことで、全部ぶっ壊しといて自分勝手な二人の決断は理解に苦しむ。

ジャックとお父さんがひたすら振り回されて可哀想だったですよ。

 

最後はちゃっかりチャーリーが双子について本を書いてるし、よりミステリアスでセクシーなジーナ?レニ?と乾杯。ほんとチャーリーの心の広さは謎なのよね。

お願いだからシーズン2とかやらないでって思いました。笑