予習ゼロで観始めました。
英語題は『So Long, My Son』だったから家族の話かなぁとは思ってた。
正直全然期待してなかったけど、なんとなく観てるうちに引き込まれて最後は感動。
観終わってからネット検索したら、ベルリン国際映画祭では主演男優賞&女優賞をダブル受賞&金熊賞にまでノミネートされた作品だったとは。納得。
あの山田洋次監督も大絶賛の話題作でした。(個人的には彼の作品より好き)
ストーリー
ヤオジュンとリーユン夫婦は国営工場で働きながら、息子シンと幸せな生活を送っていた。ある時、リーユンが2人目の子供を妊娠していることが発覚。が、一人っ子政策のためにやむなく堕胎させられ、手術中の事故で2度と妊娠できない体になってしまう。
その後、一人息子のシンが友人の子供ハオと遊んでいる最中に事故に遭ってしまう。ハオの家族とは肉親同然の付き合いがあった夫婦だったが、我が子を失った悲しみに耐えられず、田舎町へ逃げるように引っ越す。そこで養子をとり、新しい生活を始める。
息子を失った悲しみに囚われる夫婦と、共に過ごした友人達の30年を描いたヒューマンドラマ。
〜ここからネタバレあり〜
感想
お涙頂戴系の家族ドラマみたいのってあんまり好きじゃないんです。たまにならいいけど。
上映時間185分て聞いて「ながーっ、ぜったい飽きるーーーっ」と思ってたけど、予想に反して良かった。ドラマチックなストーリーじゃないけど、全然飽きなくて自分でもびっくり。笑
夫婦だったり、子供がいたりしたらめちゃくちゃ泣ける映画だと思います。
この時代の中国は激動だったんだなー。お隣の国なのに、共産主義の中での管理された生活とか、一人っ子政策とか、聞いたことあるだけで実際国民がどう生きていたかなんて知らなかった。そんなに昔のことでもないのに。2人目の子供中絶して職場で表彰されるなんて頭おかしくなるわ!
ただ政策の違いだとしても、自由な国で生きられるって幸せなことなんだなと。ある意味勉強になった映画だった。
奥さん役の女優さんかわいかったなー。不幸続きでかわいそうだけど、献身的な感じが合ってた。でも旦那は大したことない(失礼)のに若い美女と浮気してるっていうね。旦那役の俳優さんもいい感じに薄幸な雰囲気が漂う(失礼)いい役者さんだった。さすが主演賞。
中国の時代の移り変わりもうまく表現されてたのが印象的。建物とか雰囲気とか。
最後に出てきたハオがBIG BANGのTOPを思わせるイケメン(しかも医者)になってて、こんなトラウマだらけの幼少期だったらそんなまともに育たないだろーと思ってしまった。(クライムショーの見過ぎ)笑
辛いことだらけの夫婦(でも一番かわいそうなのは養子の息子)の話だったけど、最後のシーンで一気に救われた。あの終わり方は理想的だった。
友人も、家族も、長い付き合いがあるからこそ良いことばかりじゃなかったりするわけだけど、それでも離れずにいてくれる人って大事なんだなというメッセージがあったんじゃないかな。
日本では韓国ブームが続いてるけど、他のアジア映画は埋もれてしまってる気がします。
中国映画、変なのも多いけど侮れないよ! 笑
長い作品ですが、見る価値あり。
全国公開じゃないみたいだけど、機会があったらぜひ観て欲しいです。
まとめ
☆星 4.8 個☆
※複雑なストーリーを繊細に描いていた良作。
※歴史の勉強にもなった(個人的に)。