探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

【ネタバレあり】『エイリアニスト 〜NY殺人ファイル〜』 シーズン1【ついにシーズン2公開】

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この手の時代もの作品大好き!

個人的に今作や『マインドハンター』みたいな、犯罪者の心理に着目したストーリーの大ファンなので、オープニングからワクワク。

 

19世紀のニューヨークが舞台。監督は『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』や『009』の新作も手がけるキャリー・フクナガ(とにかくイケメンな日系アメリカ人監督)。

当時の町並みや服装など、ディテールがすごく良く出来てるから映像美にも注目。

 

ドイツ人俳優のダニエル・ブリュールをはじめ、イケメン俳優ルーク・エヴァンズや、大人になった『I am Sam アイ・アム・サム』の元子役ダコタ・ファニングがメインキャスト!

子供が犠牲になる事件だしグロいシーンも多いから心の準備はいるけど、キャラクターもストーリーも奥が深くて引き込まれる。

 

 

 

 

 

ストーリー

19世紀のニューヨーク、精神病患者は「人間では無い何か(エイリアン)」と見なされ、精神病の研究者を「エイリア二スト」と呼んだ。

ある日、ニューヨークの橋の上で奇妙な子供の死体が発見される。事件の手口から過去の類似事件との関与を疑ったエイリアニストのエドガーと友人のイラストレーター・ジョンは、ジョンの幼馴染みでニューヨーク市警で働くサラ、刑事のアイザックソン兄弟とともに連続殺人犯を追う。

 

キャスト

ラズロー・クライズラー【ダニエル・ブリュール】

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大胆な発想で精神科医。殺人犯の心理を理解しようとする。

 

ドイツ人俳優。かっこいいけど気難しい医者役が似合ってる。

心理学への熱意が強いあまり暴走しがちだけど、患者のために働く良い医師だと思うなー。

出演作:『グッバイ、レーニン!』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』など

 

 

ジョン・ムーア【ルーク・エヴァンズ】

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ラズローの友人でニューヨーク・タイムズのイラストレーター。サラとは幼なじみ。

 

相変わらずのイケメン。19世紀の装いも似合ってる!

過去の恋愛に失敗して傷付いた渋いおじ様感が素敵。サラは若すぎると思うけどねー。笑

出演作:『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』、『美女と野獣』など

 

 

サラ・ハワード【ダコタ・ファニング】

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ニューヨーク市警初の女性職員。ラズロー達の捜査に協力するため警察の情報を手に入れる。

 

I am Sam アイ・アム・サム』の子役として大人気になったダコタが大人の女性になってる!(でもどこかあどけない感じがかわいい)スマートで強気なサラのキャラクターがぴったりだった。

出演作:『I am Sam アイ・アム・サム』、『マイ・ボディガード』『500ページの夢の束』など

 

 

 

感想【ネタバレあり】

見終わってしまうのがもったいなく感じられるほどのめり込んだドラマだった! 

こういう雰囲気のダークな時代ものサスペンスドラマ好きだなー。

 

リアルな世界観

当時の町並みやら服装やらが特に細かくきれいに再現されててリアルだし、ただ時代劇として視覚的に表現されてるだけじゃなくて、当時の思想や登場人物のディテールまで細かく作られていて手が込んでる。特に彼らのファッションとか、インテリアのディテールとかが毎回凝ってて見惚れてしまったわ。世界観が素敵。

 

いろんな偏った偏見があったはずの時代の、タブーとされていた部分を描いているのも印象的。精神的な病気とか同性愛とか。そんなタブーを受け入れていたラズローの異端的な存在がストーリーを面白くしてたと思う。

馬車が交通手段だった時代の汚い道の感じとか、貧しい人たちの暮らしとか、そういうリアルっぽい感じが良かった。

 

 

実在のキャラクターや場所

歴史に関わりのある登場人物や事柄が出てくるのも面白いところ。

ニューヨークのセントラルパークが出てきたり、ブルックリンブリッジが出てきたり。

 

アメリカ大統領のセオドア・ルーズベルト(シーズン2では政治家になるのかな?)が警察長官でラズローの友達だったり(実際は警察だったことはなく、海軍の軍人だったらしい by Wikipedia様)、協力者のアイザックソン兄弟が指紋捜査の先駆みたいな方法を取り入れてるのも時代を感じる設定で面白い。

  

てか、全く似てない双子のマーカスの方めちゃイケメン!(マーカス役のダグラス・スミスはトロント出身のカナダ人って聞いてちょっと嬉しくなったわたし笑)

ウィル・スミス主演の『インデペンデンス・デイ』にも出演!!

www.instagram.com

 

 

魅力的なキャラクター

大物俳優陣の演技が良いのもあるけど、登場人物が魅力的。それぞれバックストーリーがあって、事件を追いながら彼ら一人一人が抱える過去にも触れる展開だからキャラクターにも感情移入できた。

みんな何かしらの闇を抱えて生きているってこと。

 

ラズローの使用人達(メアリー、サイラス、スティービー)もそれぞれクセがあって良い。

メアリーが殺されちゃうのとか辛かったなー。いかにもな悪役のコナー警部もバーンズも、めちゃくちゃ憎たらしい嫌なやつ。でもキャラクターとしては最高。

悪役が憎たらしいとストーリーも盛り上がるよね!笑

 

 

事件については…

ラストは若干あっけなかったけど、世界観とキャラクターの深みが申し分なくて、事件の結末のシンプルさをカバーしてた感じ。笑

 

でも、このドラマの目的は犯人が誰かってことだけじゃないと思うの。ラズローはエイリア二ストとして、サイコパスを作る理由を探そうとするんだけど、そんなものは見つからないってこと。人間の心理っていうのはそんなに単純じゃないのよって話なんだと思う。

 

子供がターゲットな残忍なストーリーで殺人犯のむごさは許せないんだけど、精神的に病んでしまう原因は社会や環境にもあるっていう。(ラズローもある意味サイコパス的だしね)

 

 

人間の闇

事件を追う方も追われる方も危うい一面は持ち合わせていて、彼らなりにどうにかやってるけど、どこかでその均衡が保てなくなってしまう人もいるっていう。

事件がどうこうというよりも、人間の心理の話。ラズローも、いつも強気で高飛車なのに自分のことは正直に言わないし、過去について嘘をついたりする弱さが逆に人間味を感じる。人の心理の深さと複雑さはどんなに研究しても永遠に理解できないんだろう。

 

いつもだったら細かいとこが不完全燃焼だとイライラしてしょうがないんだけど、この作品はキャラクターと世界観、ディテールに引き込まれて、最終的に「最高!」てなってしまった感じ。笑

 

 

評価

 

☆星 4.7 個☆

 

※当時の雰囲気と世界観が最高。

※キャラクター設定と時代設定が奥深くてハマる。