イギリスの犯罪ドラマによくある、登場人物が多めで物語が続くにつれて一人一人が少しずつ繋がっていくタイプの作品。至る所に伏線が散りばめられてるから集中力は必要かも。
でも、この手の混み入ったストーリー大好き!
「犯人この中から選んで」って言うタイプじゃなく、いっぱい出てくる登場人物の誰が真犯人か最後までなかなかわからない。それがこのドラマの面白いところ。
事件が重くて疲れたけど、先が気になって観続けてしまう。めんどくさくて途中でやめちゃう人もいそうだけど、最後まで見ないとこの作品の面白さはわからないと思うな。
ただ、主役マーチェラの癖が強すぎるから好き嫌いは分かれるかも。
刑事としても母親としても問題ありだし、見ててイライラするんだけど勘だけはいいという。主役のアンナ・フリエル、かわいいのに、時折見せる狂気的な表情がスゴイ。
混み入った犯罪ドラマが好きな人にはおすすめ!!
同じくイギリス女刑事もの『コラテラル・真実の行方』より好きだったかも。
登場人物
マーチェラ・バックランド【アンナ・フリエル】
一癖も二癖もある中年女刑事。
刑事は引退していたが、現役時に担当した事件と酷似した事件が起きたことをきっかけに仕事復帰する。
刑事としても母親としても自己中な判断が多過ぎてイライラするけど、勘だけは冴えてる。
主演は、今作ではエミー書を受賞した演技派女優。確かにマーチェラの狂気を感じさせる素晴らしい演技だったと思う。
ラヴ・サンガ【レイ・パンサキ】
マーチェラが復帰した部署で指揮を執る刑事。
暴走するマーチェラに頭を抱える。
ヒゲがトレードマーク。終始マーチェラに振り回されてちょっとかわいそうなラヴ。
ジェイソン・バックランド【ニコラス・ピノック】
マーチェラの夫、離婚協議中。
マーチェラにはもったいないくらいの、おしゃれ&長身イケメン!そりゃモテるわ。夫としては嫌な奴だけど、子供には好かれるいい父親。
感想【ネタバレあり】
そもそも女刑事ものって少ないけど、これだけクセのある問題児も珍しい。
でも、 マーチェラの拗らせ具合に結局ハマってしまうという。笑
シーズン1
夫に別れを切り出されて精神的にボロボロだし、記憶障害まであるしで、いろいろ問題あり過ぎなスタートだけど、それが物語と事件をより複雑にしていて面白かったと思う。
どこにでも危険な人っているんだろうなーと思わせる気味の悪い登場人物たち。
警察は一つの事件をを追うんだけだけど、同時並行で他の事件も起こるという。(またストーリー混み入らせてくるーーーーーー。笑)
残る謎
ヘンリーは結局7人の殺害を認めているんだけど、妹殺すためにここまでする必要は?連続殺人飯の仕業に見せたかったとしても4人くらいでよくない?
でも、結局似た事件の中にはパン屋の主人が絡んでたのもあるわけで、それはたまたまだったんだろうけどなんかしっくりこなかった。
トラウマ
マーチェラの娘が幼い時に亡くなってて、そのせいでマーチェラに精神的な影響が出てくるんだけど、本人がそれを認めようとしないっていうのがリアル!
「問題に向き合って乗り越える」みたいなのがよくあるパターンだけど、現実はそうも行かないし、それに苦悩するマーチェラの姿が物語をよりダークにして行く。
夫婦問題
どんどん過激になっていくマーチェラを見ていると、夫も職場の美女(グレイス)に惹かれて行って当然かも…と思ったり。だってジェイソンめちゃくちゃかっこいいもん!!仕事も出来るし、スタイリッシュだし。そりゃ他の女子が放っておかないでしょう。笑
子供達は夫婦の間に立たされてかわいそうだったけど。
離婚に向けて進んでる途中で、今更ジェイソンがマーチェラとその同僚(上司?)がいい感じになっていくのは気に入らないっていうのは不公平だとは思いつつ、これは最終的にマーチェラとより戻す付線かと思ってた。(違う)
ジェイソンは不倫相手のグレイスが死亡したことでショックを受けているのはわかったけど、マーチェラの恋愛に口を突っ込んできたり、職場での立場を取り戻すために巻き込まれた殺人事件(アクシデントではあるけど)についても、なんかこの人結局自分のことが一番大事なタイプのイヤな男だったんだなと。
シーズン2
今回は子供が被害者の事件で、動機も犯人も予想を裏切る展開。
今回はより一層マーチェラの無鉄砲さと自己中さが悪目立ちしててイライラが止まらなかった。笑
マーチェラと家族
今シーズンではついに本性を表した感じのジェイソン。早速新彼女作ってるし。これまた若い美女。(ジェイソンめ、実はブロンドキラーだな。)
マーチェラとジェイソンのバトルもヒートアップしてて、子供たちがほんとかわいそう。
エドワードは特に、鬱っぽくなってダークサイドが覚醒してきてる感じだし、もしかしたら今後の事件に関わってくるなんてこともあるかも。(いや、無かった笑)
事件が重い…
シーズン2は小児愛的な部分が出てきて、小さい子供がかわいそうなシーンが多いから見てるのは辛かったけど、最終的なひねりは面白かった!
フィルは奥さん見つけて子供出来て、せっかくどうにか新しい生活を始めようとしてたのに台無しにされて同情しちゃった。小児愛者は最低だけど、依存症みたいにギリギリで保ってる人もいるんだろうな。(そう思うとこわいけど。)
奥さんが流産しちゃうのとか、あれはマーチェラに責任あるでしょ!なのに結局息子が復讐の対象にされてかわいそうだし、ひたすらマーチェラにイライラ。(感想書いてる今もイライラ。)
どんでん返し
超脇役感が満載だったママ友が、まさかの真犯人って展開にはびっくり!
ジョエルの姉だったってことが最後の最後で分からなかったら全く疑わなかったであろうモブキャラ。
これは予想を超え過ぎててびっくり。かつ、若干拍子抜けした感もあり。(逆にこんなに引き伸ばしといてこれだけ?っていう笑)
てか、だったら財団がした隣人の恋人誘拐事件とかはなんだったんだ。(巻き込まれた隣人カップルが一番かわいそう)
シーズン3
今まではITV(イギリスのTV局)、シーズン3からは ネットフリックスでの放送になってるけど、シーズン3ではストーリーのタイプもマーチェラの見た目も大きく変わって、もはや違うドラマを見ているよう。笑
正直、遺体していた「刑事まーチェラ」としての面白さはもはやそこには無い…
しかもボロボロになって新しいリッチな生活を楽しんでるマーチェラの経緯が意味不明だったし、勝手に死んだことにしてるところとか「この女、どこまで自己中なんだ」と、またイライラ。笑
なので、シーズン3の感想は短めです(ごめん)。笑
犯罪組織への潜入捜査は、もはやマーチェラのお色気大作戦。今まではバックランド家のトラブルとマーチェラの強引な捜査が見所だったけど、今回は犯罪一家に潜入するという思いもよらない展開。(相変わらず登場人物は多め。)
舞台はアイルランドだし、共通のキャストはロンドンの事件を追ってアイルランドにやって来たラヴだけ。(ラヴはマーチェラに気があるのか?)
マーチェラあんなに子供大事にしてたのに、自分が末っ子殺したことに気付いてからは何事もどうでも良くなっちゃったのかな。(残された子供かわいそう…)
しかも、結局潜入操作も実際はただ個人的な復讐に利用されただけ!?しかも発案者のフランクは復讐果たす前にジャックにあっさり殺されてしまう。笑
最後はなぜか銃撃戦になって、赤ちゃんと遺産と新しい身分と、欲しいもの全部手に入れていなくなるマーチェラ。もはやスパイ映画みたいな展開。これでよかったんだろうか。笑
今シーズンは、後半に向けて逆につまらなくなっていくという残念な結果だった。
やっぱり刑事のまま続いて欲しかったなー。
まとめ
シーズン1・2は、刑事として残酷な事件に立ち向かう問題だらけの女刑事っていうのが面白かった。
事件自体も複雑でダークで見応えがあったし、ラストに向けてのどんでん返しを楽しみにどんどん次のエピソードを見てしまうくらいハマった。
でも、シーズン3からはもはや刑事じゃないし、これならマーチェラシリーズとして作らなくても良かったのではと思ってしまった。そのままのスタイルで、刑事としてのマーチェラが見たかったのに。
シーズン3でネットフリックスの制作になったから、彼らなりのストーリーを作りたかったのかもしれないけど(実際、シーズン2で完結できそうなストーリーだったのに、無理やりキャラクターを蘇らせた的な)、オリジナルと違い過ぎててガッカリ。
もうこのままさすがにシーズン4は無いでしょう。笑
評価
☆星 4 個☆
※シーズン2までで終わってたら星4.3くらいだった。
※キャラクターに人間味があって作品に引き込まれた。
※主人公がここまでクセのある女刑事ものは珍しいし、新鮮だった。