久々のジュリア・ロバーツ主演作ってことで興味本位で観始めたわけだけど、すっかりハマってしまった!!
サイコスリラーってことで、ミステリーっぽい感じかと思ってたけど、ストーリーが面白いだけじゃなくて、レトロな雰囲気のフィルターも音楽もカメラワークもいい味出してた。
帰還兵が社会復帰するため治療を受ける施設「ホームカミング」が舞台の今作。
本当にこういう施設ありそう。見進めれば進めるほど謎めいてきて、少しずつ怖くなっていく。
シーズン1の監督であるサム・イスマイル(『ミスター・ロボット』など)の独特の雰囲気に引き込まれたんだけど、シーズン2からはキャラクターも監督(カイル・パトリック・アルバレスに変更)も変わってて、もはや違うストーリーに。笑
そもそも、シーズン1であのまま終わればよかったストーリーだったのでは?(海外ドラマあるある)
でも、ストーリーとしてはシーズン1・2共によく出来ていたと思うし、最後まで見ないと分からない面白さが合った。
レトロな映画やミステリー作品が好きな人にはおすすめです!!
キャスト
ハイディ・バーグマン【ジュリア・ロバーツ】
#Homecoming doesn't need an hour to make an impact with each episode. @lizlet analyzes the rise of half-hour TV dramas (more please!): https://t.co/jcP2wuqPRk pic.twitter.com/FR0FPxjOPm
— IndieWire (@IndieWire) 2018年11月16日
「ホームカミング」で働くカウンセラー。ウォルターのカウンセリングを担当する。
ジュリア・ロバーツといえば『プリティ・ウーマン』みたいなラブコメの印象が強いけど、今作はサイコスリラー。
もちろん年は取ってるけど相変わらず美しい!
ウォルター・クルーズ【ステファン・ジェームズ】
ハイディが担当する元軍人。
カナダ・トロント出身の俳優。ドラマを中心に活躍する若手俳優。
兄のシャミール・アンダーソンも俳優。
コリン・ベルファスト【ボビー・カナヴェイル】
ハイディの上司でガイストの社員。
うざーーーーい嫌ーーーな上司感が最高!
クセのあるキャラクターがぴったり!『アイリッシュマン』にも出演。
トーマス・カラスコ【シェー・ウィガム】
ホームカミング移行施設を調査する国防省の調査員。
数々の作品に出演する渋い名脇役が今作にも登場。
お堅い調査員役を好演。
オードリー・テンプル【ホン・チャウ】
ガイスト社の受付嬢。シーズン2では同社の重役に。
欧米作品によくある「どう見てもアジア人なのになぜか苗字まで英語名」キャラ。笑
シーズン2では特に彼女の変貌が見所。
この人『ダウンサイズ』のベトナム人難民役で存在感が圧倒的だったあの女優さんじゃないの!今回もキーキャラクターとしていい味だしてた。
アレックス【ジャネール・モネイ】
シーズン2の主役。記憶障害を抱え、事態の真相を追う。
記憶を無くした後と前で全く違うキャラが印象的。かわいらしいのにクールなアレックス役がかっこいい!
歌手としても活躍中、最近では『ハミルトン』にも出演していて映画やドラマでひっぱりダコな彼女。
感想【ネタバレあり】
シーズン1
映像がおしゃれ!!
2018年の設定なのに、どこかレトロな雰囲気。
それがいい!!
特に、国防省調査員が出てくる「現代」のタイムラインのときはなぜか縦長で、よりレトロな画質とスタイルで撮られてるっていうのも面白い。
シーンによって、一昔前のSF映画で使われてそうな音楽とか見せ方もナイス。
ストーリーも、何がどうなるのか全然予想が付かなくて目が離せなかった!!
ホームカミング施設
帰還兵の中には、戦地での辛い経験からPTSDなどの精神的ダメージを抱えて帰ってきて、その後の人生にまで大きな影響を与えるケースも多いから、それを改善する記憶抹消薬?の開発を目的にした実験施設が「ホームカミング」。
本当のゴールは改善した兵士をまた戦地に送り返すことだけど、単純に考えたらその方がいいのかも。ある戦場経験のある若い兵士で、体力的にも申し分ない人材がまた復帰してくれたら軍としては助かるもんね。 (効率という意味では)
ここで出てくるのが「倫理」の問題。
ハイディは、元々社会復帰のために入所した(と思ってる)兵士達の記憶を消して、最終的にまた戦地に戻すことは彼らの望みではないと考える。
もちろん、嘘の案内で本人の同意なく投薬されてるわけだからそこは絶対ダメなんだけど…最終段階の治療を受けたウォルターが、嫌な記憶をすっかり忘れて自ら戦地に戻ることを決めるっていうのは本人の意見を尊重していることになるの…かな?
本当にただ嫌な記憶だけ消してくれるならいいけど、そんな都合のいい話無いよねー。
でも、実際にそんな薬あったらトラウマに苦しむ人にとってはかなり朗報。
施設での実験が投薬だけだとしたら、クレイグがやってた面接の練習とかはなんのためなの?
あれはピュアカモフラージュってこと?笑(彼超熱心)
コリン
コリンがひたすら嫌なやつで面白い!
控えめなハイディとのコントラストがありがちな嫌味上司と部下の関係て感じ。笑
身分を偽ってハイディに近付く感じとかいやらしいわー。
よく平気な顔で元部下のこと口説けるな!サイテー!
でも、奥さんにはしっかり謝ろうとす流ところだけはなぜか誠実。
ホームカミングセンターでの実験は彼が仕切ってたのかな?かなり大掛かりだったけど。
上司のロンも関与してたっぽいけど、あんな大々的な実験よく隠し通せてたな。
最終的に、散々下っ端扱いしてきた受付嬢のオードリーがコリンにクビを言い渡すと言う展開はスッキリ。笑
ラブストーリーとして
ウォルター、最初から優しげだしイケメンだしいいわーと思ってたら、まさかのハイディといい感じに!(ちょっと歳の差過ぎないか)
ドライブやら郊外での隠居暮らしを妄想するハイディとの会話はかわいいし、お互いに気があることは気付いているけど、カウンセラーと患者としての関係をしっかり守る二人が切ないんだけど、実験の成功のためにウォルターを色仕掛け?で説得したり、実験の真の目的を知ってヤケになったのか、ウォルターを道連れにしたのはなんかなー、と。
軍に戻るのを止めたかったのかな?
たまたまウォルターがシュライアみたいにならなかったから良かったものの、結局ハイディ自身も記憶なくしちゃってるし、それで最初からの辻褄が合ってくるって言う展開は納得。
でも、よく考えたら20代のウォルターと明らかに10歳以上年上(見た目的には40際くらいの設定?)のハイディの関係はちょっと異様かも…?(これが男女逆だったらキモイぞ)
最後にハイディが全てを忘れたウォルターに会いに行って「私が遅かったの」って言うシーンはなんとも切なくて、好きーーー!!
ハイディがウォルターの記憶を思い出させて「お幸せに」みたいな展開かと思いきや!!
「途中まで良かったのにナニコレー」みたいなラストが多い中、こんなに美しく終わるドラマは久しぶり。
シーズン2
ジュリア・ロバーツは?
今度は打って変わって実験に使われた女性軍人が主人公?
え、ジュリア・ロバーツは?あのアートな暗い雰囲気は?
監督も変わったし、雰囲気変わった。
正直、シーズン1までで満足した人は2は観なくてもいいと思った。笑
1の続きと言うよりもオプションの付属品的なストーリー。
引き続き出てくるのは超出世したオードリーと、ハイディの同僚だったクレイグ、嫌な上司コリンがちょっとだけ。
ハイディとウォルターの恋も一切発展は無いし、その後のガイスト社のイザコザを描く展開に。
人間関係がキー
登場人物が少なめだったシーズン1よりも主要キャラが増えて話が混み入ってくる。
アレックスの登場から、最初はホームカミングの新たな犠牲者か?と思いきや、予想外の方向に話がシフトして行ったのは面白かった。(制作側の思う壺。笑)
最初はシーズン1との違いにガッカリしてたけど、後半ら徐々にアレックスが記憶をなくした経緯が分かり始めて(ホテルにあったメロンの謎が溶けてスッキリ)面白い。
控えめな受付嬢だったオードリーが野心を抱き始めて「ボス」になっていく経緯も見どころだと思う。
ガイスト社
社長のレナード(クリス・クーパー)は、最初の時点では傲慢なワンマン社長かなんかだと思ってたけど、ストーリーが進むにつれて、本当は国防総省とオードリーの暴走を止めようとしていたまともなオヤジだったことが判明。
これは最後まで観ないとわからない!
シーズン1でオードリーとコリン(ロンも)「(農場にいる)レナードに会ったこと無い?」みたいな話してるから、社長のレナードはどこか離れた農場で静かに暮らしてるんだと思ってたら、コリンが働いてる本社の隣じゃん!!目と鼻の先じゃん!!笑
セコイアの実も、レナードハウスの目の前に生えてるのに、社員が勝手に使って実験してたことを知らないってことある!?笑
アレックスとウォルター
アレックスが恋人のオードリーに成功して欲しいがために、必死でウォルターを説得する姿が健気。
でもさ、危機管理のプロだったら普通出会って24時間未満の男の車に乗って人のいない森の奥にまで付いて行かないだろう!!
エピソード1の、男に置き去りにされるって流れの時点であれはウォルターだろうと思ってはいたけど、その経緯が分かるとスッキリ。
アレックスがプロっぽく退役軍人の設定を見事に演じてる感じはさすがと思いつつ、ボロが出るのを待ってしまう。笑
刑務所に保釈金払いに来るって言うのがそもそも怪しいんだけどさ。
二人の間に友情が生まれていく様子はほっこりしつつも、同時にどこでバレるのかウォルターがキレるのかと思いながら見てた。笑
ラスト
シーズン1のラストはすごく良かったのに、シーズン2はなんとも呆気ない。
でも予想通りというか、スッキリ終わるには他に方法が無いというか…
パーティーのみんなが一人残らず倒れる様子は滑稽(リアリティさを考えると)ではあるけど、それを表現したかったのかなー???
シーズン1の終わりみたいに余韻残す感じでも良かったのになー。
最後の最後でウォルターがハイディを思い出すとか、シーズン1とのリンクがあったら良かったのにーと個人的には思ってしまった。
まとめ
正直、シーズン1と2は同じ設定でも別の作品として観た方がいいと思う(キャストもほとんど変わってるし)。
そう考えたら、1も2も面白かった!
あり得なくなさそうな設定、先が見えない展開、2つの時間軸。
最後まで見てようやく全ての出来事に納得がいくストーリーは見応え抜群!!
ダークな雰囲気の作品なのに、ジュリア・ロバーツ主演ってイメージ湧かなかったんだけど、どこか闇を抱えたカウンセラーの役が意外にもぴったりハマってた!
非現実的な設定はいくつもありつつ、
あんなフルーツがあるかは疑問だけど、アメリカのアーミーなんて実際にヤバイ人体実験とかしてそう。笑
評価
☆星 4.2 個☆
※シーズン2でほとんど別の作品になっちゃったのが残念。
※音楽とか撮り方とか、不気味な雰囲気が好き。