探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』期待はずれ…人気シリーズ最新作

ジュラシック・ワールドシリーズの最新作、北米では既に公開されましたので、観てきましたよ!!

 

監督は、2015年の『ジュラシック・ワールド』で脚本を務めたコリン・トレボロウ。

今作では、1作目のメインキャストが出演するとのことで話題になっているし、キャストについては申し分ない。

ただ、上映時間2時間半。。。本当に見る価値があるかどうか気になる人も多いはず。

 

新旧キャストのコラボレーションを楽しみにしている人は多いだろうけど、うーん…笑

なんとも残念な仕上がりだった気がします。

かつての”恐竜パニック映画”感はどこへ??

 

個人的な総評価は…3.5/10

 

アメリカでは初日の興行収入があの『トップガン』続編を追い抜くほどだったそう。。。

ただ、これはよくある話だけど、この映画については声を大にして言いたい!!

初日の興行収入が高い=面白い映画ではない!!

 

前半はネタバレなし、後半はネタバレも含めつつ、率直な感想を書きました。

ちょっと辛口気味です。

 

 

 

 

全体の感想【ネタバレなし】

ファミリー向け?

ファミリーで観に行くにはちょうどいい映画だったんじゃないかと。

 

夏休み映画だからそもそもファミリー向けなのか、今までの見どころだった”人ガブッ”みたいなシーンはほとんど無し。でも、恐竜の恐ろしさやハラハラする追いかけっこシーンはしっかりあるので、その点は楽しめるはず。

 

ただ、その分大人は物足りなさを感じるかも。

 

今回は新旧キャストの競演が注目された分、そこに頼りすぎてストーリーに厚みを感じなかった。

前作で恐竜達が放たれたことで、人間と恐竜が共存しなければならなくなったわけだけど、すごく部分的なところしか描かれていなかったと思うの。ほぼアメリカだし。

 

せっかく世界中で恐竜が暴れ回るっていう面白すぎるシチュエーションがあったあのに、そこが生かされないまま終わってしまった感じ。。。

 

何も知らずに恐竜映画を期待していたとしたら、期待はずれな思いをするでしょう。

 

 

豪華キャスト

相変わらずのメインキャストと、大きくなったメイジーがかわいい。

でも、今作の一番の見どころは1作目のメインキャスト達(サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム)の登場なはず!!

 

この共演は、元祖ファンのニヤニヤポイントではあったと思う。本当に、みんな当時のキャラのままでキュンとしてしまったよ。しかもみんな美しく年を重ねておられる。。。

何なら今作に限ってはクリス・プラットさえ霞んでたもんね。笑

 

私は今シリーズのハード・コアファンではないけど、1作目を何度身繰り返し観てたから、「あ、このシーンはあの時と同じ!!」みたいなシーンがいくつかあって、ファンなら嬉しくなる見どころ多数でときめくはず!

 

新しく『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール』のデワンダ・ワイズ(この人本当にかっこいいのよ!!)、が加わったり、『ルパン』のオマール・シなどの豪華なちょい役も出演していることにも注目!!

オマール・シが恐竜に追われるシーン、「見るからに美味しそうだもんね」と恐竜側の目線で見てしいました。笑

 

ほんとね、ストーリーには期待しないで。笑

映画を観に行くんじゃなくて、旧キャラの今を見に行くつもりで行ってください!!笑

 

 

ここからネタバレあり!!

 

 

 

辛口感想【ネタバレあり】

恐竜の魅力はどこへ?

致命的だったのは、ジュラシック・ワールドの見どころであるはずの恐竜シーンがいまいちなこと。

CGもっと頑張れただろうになーと思った。全部が悪いわけじゃないの。でも、部分的に荒いところがあると急に現実に引き戻されちゃうのがCGの残念であり、難しいところだよね。

 

ちなみに、私これ観る前日にたまたま2009年公開の『アバター』観たのね。(新作公開前の予習として)

で、2009年映画のCGの素晴らしさに超超感動してたわけ。そりゃそうだよね、世界で一番高評価受けてる映画の一つだし。でも、だから余計2022年公開の超人気シリーズ最新作への技術的なジャッジが厳しくなっちゃったってところは否めない。笑

 

 

一番最初にブルーが現れるシーン、CGが残念すぎて映画に集中できなかったよ。

恐竜のシーンにちゃんと迫力はあるんだけど、恐竜の恐ろしさは感じられなかった。一作目のジュラシック・パークでヤギが食べられちゃうシーンみたいなゾクッとする感じが欲しかったなー。

 

特に、肉食恐竜がコラボするシーンも、もうちょっと大胆にできたのでは!?

ラストの、ティラノVS新肉食恐竜(名前は勉強不足)と対決するシーン。

リベンジに燃えたティラノが頑張ってるのに、ピンチの時になぜか急に現れた巨大鳥恐竜(これも勉強不足)の爪に刺されて敵が死んじゃうの。あれは呆気なさすぎるでしょ。。。残念。。。

 

もうちょっと野生のかっこよさとか、恐ろしさを見たかったかな。思い返してみるとかなりの数の恐竜が出ていたはずなのに、あんまり記憶に残らない。

でも、結局最後はアイコニックなティラノザウルスが勝つっていうのは気持ち良し!

 

 

ツッコミどころ満載なストーリー

今作はストーリーがひどい。笑

2時間半引っ張れるストーリーじゃないよ。恐竜じゃなくて人間の問題(というか家族問題)にフォーカスしすぎたから、恐竜が活躍できなかったんだろうな。

 

そもそも、ヴィランが弱いのよ。だから、根本的なとこを考えると、主人公たちが何と戦っているのかわからない。

世界を牛耳っているバイオシン社が巨大なイナゴ問題を解決するためにメイジーを誘拐するのに、よくよく話を聞いていると、ウー博士はDNAを解析したいだけなんだから、その前にオーウェン&クレアに一本電話入れればよかった話じゃない?笑

 

最後、あれだけ研究所と森林破壊をしておいて、メイジーはあっさりウー博士にOK出すのを見て、最初から最後まで、このダメージは何のためだったんだろう?と思わずにはいられない。笑

 

てかさ、みんな恐竜が目の前に現れるたびに”ちょっと待ってポーズ(手を前に出して睨みつける)”するんだけど、「これ絶対意味ないから逃げてーーーー!!」と毎回思ってた。笑

【余談】作品の政治的傾向

どうでもいいと思う人も多いかもしれないけど、今回の作品は政治的な匂いを感じてしまった(良し悪しではなく、気づいたことがあったという意味で)。

 

北米に住んでいて、トランプ政権以降なんでも政治的に見えるようになってしまったのは良くないことかもしれないけど、どうしても気になっちゃったことがあるのでシェア。

 

本当はこういう見方は好きじゃないけど、超超共和党メディアとして知られるフォックス社*1の政策かと思うほど(実際はユニバーサルだった)です。笑

 

最初からクリス・プラットがカウボーイスタイルで出てきたり、ユタ州等の超保守派地域がフォーカスされていたりと、そこまでは「ふーん。」と思ってたけど…今作のヴィランであるバイオシン社のCEO(キャンベル・スコット)は完全にAppleのティム・クックだし、本社は見るからにApple Parkなの。笑

それがいい悪いってことよりも、あからさますぎて面白いし、最近の映画では稀に見るあからさま具合にちょっと笑ってしまいました。

 

*1:トランプを全力サポートしていたメディアです。ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、マーゴット・ロビー出演のFOXニュースでの実話をもとにした映画『スキャンダル』を観たら少し分かるかも。