度々の延期がありながら、クリスマス*1にようやく公開となったDCユニバースの最新作!
わたしの住む都市はロックダウン中で、特にやることも行く場所もなかった大晦日に観賞しました。笑
正直、ストーリーの内容からしてパンデミックが始まったばかりの混乱の時期に公開しなくて良かったと思う。待って正解。子供も観るヒーロー映画だし、予定の時期に公開してたらちょっとゲンナリするような内容だったかも。
今回ワンダーウーマンが直面するのは「欲深さ」という悪。意外と2020年のこの状況下にぴったり当てはまるテーマだったと思う。
ヴィランは『マンダロリアン』のペドロ・パスカル。クールなマンドとは全く違うタイプの欲深いビジネスマンを演じています。前作で悲しい別れ方をした恋人のスティーヴ(クリス・パイン)も今作でカムバック。
1作目から間が空いたけど、今回も相変わらずガル・ガドットが美しかった!!
あらすじ
ワンダーウーマンとして市民を守りながら、普段はスミソニアン博物館で働いているダイアナ。1984年になった今でも、恋人スティーヴを失った寂しさから立ち直れずにいた。
ある日、博物館に謎のクリスタルが現れる。
キャスト
監督:パティ・ジェンキンス
『ワンダーウーマン』の前作を手がけ、スターウォーズシリーズの次回作も手がけることが決まっている、大注目の女性監督。
代表作:『ワンダーウーマン』、『モンスター』など
ダイアナ / ワンダーウーマン【ガル・ガドット】
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女性戦士だけの島セミッシラに住むアマゾン族の王女。
1984年、市民を守りながらスミソニアン博物館で働いている。
相変わらず美しいガル・ガドット。
今回は伝説のゴールドアーマーも登場してパワーアップ!ポスターのカラフルな写真すごく好き!
今作では彼女の出身地である中東のシーンもあって、一瞬だけど母国語を披露する場面あり。
出演作:『ワンダーウーマン』、『ジャスティスリーグ』など
バーバラ【クリステン・ウィグ】
ダイアナの同僚。ドジで冴えない自分を嫌い、ダイアナに憧れている。
ラブコメ系に出演が多いイメージの彼女。今回はアクションもありの重要な役所。
冴えない自分に劣等感を抱えながらも心優しい一面を持つ、どこにでもいそうな女性をひょうきんに演じていて好印象。
出演作:『ブライズメイド』、『怪盗グルーシリーズ』など
スティーヴ【クリス・パイン】
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前作でダイアナと恋に落ちたアメリカ軍のパイロット。ダイアナはいまだに忘れられずにいる。
わたしが彼を初めて見たのはリンジー・ローハンのラブコメ『ラッキー・ガール』で、その頃と比べたらだいぶ渋みが増したクリス・パイン。
今作でもワンダーウーマンを支えるいい男。
出演作:『スタートレック』、『ジャックライアン』など
マックスウェル・ロード【ペドロ・パスカル】
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一見成功しているように見えるが、実際は破産寸前の実業家。
クールな『マンダロリアン』から一転、トレードマークだった口髭も剃って挑んだ安っぽいビジネスマン役が意外にもハマり役だった彼。髪をブロンドに染めて「アメリカ人」になり切ろうとする南米移民の苦労も垣間見える切ない役所。息子のアリスター(ルシアン・ペレス)もかわいくていい演技してた。
出演作:『キングスマン: ゴールデン・サークル』、『マンダロリアン』など
〜ここからネタバレあり〜
感想【ネタバレあり】
マーベルのような王道を地で行ったヒーロー映画を期待してみると面白くないかも。
アクションも少なめ、ワンダーウーマンのシーンも少なめ。
けど、ストーリーや作品のメッセージには共感できたし、これはこれで嫌いじゃなかった。
1984年が舞台である意味
最近この手のスローバック映画多いよね。
最初のモールのシーンとか、まさに『ストレンジャーシングス』。
今作でもファッションとかカルチャーとかのシーンは1984年の雰囲気を盛り込んでいたものの、ストーリーもテーマも別にその時代じゃなきゃいけなかったわけではないような…むしろわたしは途中から1984年が舞台だってこと忘れはじめてた。笑
スティーヴが他の男性の体に入って戻ってきて、ダサいウエストポーチとかエアロビのアウトフィットとかをトライするシーンはかわいい。笑
てか、スティーヴがどうやって戻ってくるのかと思ってたけど、この方法なら納得。でも途中のシーンで「農場が欲しい」って言ったおじさんは牛がもらえてるのに、スティーヴは誰かの体に入って戻ってくるって、ドリームストーンの効果に一貫性ない気もする。笑
作品として「80年代にフォーカス」というより、製作陣的に、見た目は歳を取らないワンダーウーマンに合わせて、それぞれの時代ごとに映画を作って行きたいっていうことなのかもしれない。
憎み切れないヴィラン達
前作は彼女自身の成長のストーリーに加え、善vs悪がわかりやすい「ザ・スーパーヒーロー」な内容だったけど、今作は人間たちの強欲さ愚かさに焦点が当てられていて、どちらかというとワンダーウーマンvs人間のような構図。
マックスウェルとバーバラ(後のチーター)の二人は普通の人間だし、誰もが感じたことがあるはずの劣等感や敗北感に苦しんでいる、何かと共感できるキャラクター。
マックスウェルのペドロ・パスカルはすごく良かった!!
あの胡散臭さと、欲に塗れて正気を失っていく演技は凄みがあって最高。マックスウェルには実は辛い過去があって、いつか成功して見返してやろうと思ってたのかな。アメリカのダークな一面も垣間見える。息子アリスター(ルシアン・ペレス)がとにかく健気で、最後に再会するシーンは(出来過ぎではあるものの笑)泣けた。
バーバラの存在はありがちなタイプ(地味系ネガティブヴィラン)だけど私は好き。悪いやつって結局はかわいそうなやつなんだよね。
最初のドジでコメディ調なバーバラは良かったんだけど、後半のチーターは若干違和感。クリステン・ウィグってアクション映画で悪役やるタイプじゃなくない?戦闘シーンのチーターも微妙。もうちょっと強そうにカッコよくしてくれても良かったのになー。笑
ワンダーウーマン自身も自分の「欲」と葛藤するシーンがあって、現実を受け入れて自ら乗り越える強さを彼女自身も学ぶことになる。敵とのアクションよりも、メンタルの戦い。
そもそもワンダーウーマンとしての戦闘シーンは少なくて、どちらかというと今作はダイアナの物語だったのかも。
ドリームストーン
願いを叶える力を持つが、同時に大事なものを奪ってしまうドリームストーン。
クリスタルを手に入れて、それ自身になりたいと願ったマックスは賢いなーとも思ったけど、どんどん欲深くなって彼の姿は滑稽。でも人間ってそういうものだよね。(そんなにお腹空いてなかったのに、一口食べたら急にお腹空いてくるみたいな。笑)
個人的にどうも納得がいかなかったのは、クリスタルにお願いしたことは「取り消します」っていえば簡単に取り消せちゃうってこと。笑
ワンダーウーマンの一声でみんな願いを取り消し始めるし、いろんな人の「願い」が原因で起きた事故や核戦争も一瞬で無かったことになっちゃって…悪い神様が作った超強力なクリスタルじゃなかったの!!?いかにもアメリカ映画らしいシンプルな設定だなと。笑(失礼)みんなあんなに自己中で残酷なお願いをしておいて、最後はあっさり「取り消す」って言うのがなんか単純過ぎて…
中には「温暖化がなくなりますように」とか「飢えや貧困が無くなりますように」とかってお願いする心の美しい人もいるだろうに…(と祈る。)
ワンダーウーマンとしてのダイアナ
今回の見所は、宣伝用ポスターにもなってるゴールドの翼付きアーマー…のはずなのに、そのアーマーの活躍が少な過ぎる!!
最後の対決でやっと出てくる、めちゃくちゃかっこいい伝説のアーマーなのに、結局序盤でほぼチーター(バーバラ)に壊され、あの翼も強力なアーマーも活躍する場面ほぼ無し。アーマーの伝説と最後の戦いとの繋がりも無し。そもそも、チーターはあのアーマーで戦う程の強敵ではなかったんじゃ無いかなと。
てか、スティーヴに別れを告げた後パワーが戻って空をビューーーンて行くの見て「あれ、ワンダーウーマン空飛べたっけ?」てなったんだけど。(そしたらもっとあの翼付きアーマーいらないじゃん。笑)
まとめ
最初のセミッシラでの幼少時代の回想(このシーンがまたかっこいいんだわ)は、「ズルをしてはいけない。」っていう教訓の話だったけど、現代(1984年)でそれがどう繋がっているのか分かりづらい。
「ズル」っていう意味では、ドリームストーンを使って自分の願いを叶えようとすること自体がそれに繋がっていたのかな。結構最後までしっくりこなかった。
テーマとメッセージはすごくいいのに、ドリームストーンの起源や効果がうやむやだったり、ヴィランがちゃんと罰せられなかったりして、ヒーロー映画としての爽快感は感じられなかったかも。それが、この映画がイマイチだった理由でもある。
最後の雪のシーン、今作のクリスマス公開に合わせて取り直したんだろうなーって感じ(取ってつけたような)がしたけど、スティーヴが入り込んだ中年男性も十分イケメンだし、早くダイアナにも素敵な恋人ができることを祈るばかりです…
評価
☆星 3.6 個/ 5 個☆
※スーパーヒーロー作品としては善が悪を倒すワクワク感が少ない。
※メッセージ性が強くて感動。人間の欲について考えさせられる。
*1:日本では一足先の18日に公開したようですね。