探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

Netflix『The OA シーズン1〜2』 謎がてんこ盛り!異次元が交錯する話題作

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臨死を通して得られる不思議な体験をテーマにしたSF作品。

斬新なコンセプトの話題作です。

 

 

主演のブリット・マーリングとザル・バトマングリ監督との共同制作で実現した今作。

ブラット・ピットの制作会社が手がけ、総指揮には彼自身も名を連ねています。

 

 

CGなどの特殊効果は少なく、ストーリーの面白さで魅せるタイプのSF作品。

スピリチュアルな要素もあって最初はなかなか感情移入できなかったけど、先が気になってイッキ見してしまった(また)…

 

 

シーズン2の公開後、次シーズン以降の作成打ち切りが決定した今作。

当初はシーズン5までの予定だったらしく、ロサンゼルスのNetflix本社前では再制作を願うファンによる抗議活動も行われました。

 

 

謎が残ったまま終わる作品はあるけど、少しも終わった感のない終わり方だし抗議する人の気持ちわかる。笑

このまま終わるには不完全燃焼過ぎる!!

 

 

中途半端なストーリーにモヤモヤしたくない人にはお勧めできませんが、今後ネットフリックス経由じゃなくてもいいから制作が再開してくれることを願います。

 

 

 

 

 

 

キャスト

OA(プレーリー/ニーナ)【ブリット・マーリング】

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7年間失踪していた女性プレーリー・ジョンソン。幼少期の話やハップに監禁されホーマーらと地下で生活していた当時の話をスティーブ達に聞かせる。

 

ザル・バトマングリ監督と共に今作の原作・制作を手掛け、主演まで務める多才な彼女。ザル・バトマングリ監督とはこれまでに複数の作品で共に制作を手掛けていて、特にSF作品を得意としているよう。美しく儚げなOA役もぴったりでした。

 

 

 

ハップ【ジェイソン・アイザックス】

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臨死経験のある人物を探して監禁し、死後の世界について研究する科学者。

 

ハリポタシリーズのルシウス・マルフォイ役で知られる彼。個人的に大ファン。

嫌な役どころだけど相変わらずかっこ良い!狂った科学者なのにどこか魅力的な人間味のあるキャラクターで、なかなか憎めない。

 

 

 

ホーマー【エモリー・コーエン】

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OAと共にハップに監禁されていたアメフト選手。OAの恋人。

 

ニューヨーク出身のアメリカ人俳優。シーズン1と2の演じ分けがびっくり。

アイルランド移民のストーリー『ブルックリン』では主人公の相手役。

 

 

 

スティーブ【パトリック・ギブソン】

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プレイリー(OA)の近所に住む高校生。熱意はあるが反抗的な態度で周りを困らせる問題児。

 

グレまくりながらもピュアな心を持つ熱い青年を好演。

アイルランド人俳優。英国を中心に活躍する注目の若手俳優です。

 

 

 

カリム・ワシントン【キングズリー・ベン=アディル】

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シーズン2より登場。バックそっくりのミシェルと言う少女を探す私立探偵。OAと出会ったのも偶然では無さそう。

 

ドナルド・グローヴァーと歌手ドレイクを足して割ったようなイケメン。笑

イギリス出身。舞台出身で現在はドラマを中心に活躍中。

 

 

 

個人的な注目キャスト

 

バック/ミシェル(イアン・アレクサンダー)

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スティーヴ達とOAの話を聞くトランスジェンダーの少年。シーズン2ではキーパーソンの少女ミシェルとして登場。

 

何かと目を引く独特の存在感と繊細な演技でいい味出してた。

役のバックと同様トランスジェンダーのアメリカ人俳優。公募されたオーディションで選ばれ、今作がデビュー作。今後の活躍が楽しみ。

 

 

 

〜ここからネタバレあり〜

 

 

 

 

 

 

感想【ネタバレあり】

 

 

正直最初は突拍子も無い展開にポカーンとしてしまい、ついて行くのに疲れた。笑

でも、観続けるうちにどんどんその深みにハマって行く。

そんなドラマでした。

 

 

『ストレンジャー・シングス』と比較されがちな今作だけど、個人的には全然別物かと。『The OA』の方がずっと「自分の知らないところで実際に起こっているかも」と思わせるリアルさがある。

 

 

ただのクレイジーな作品として片付けられなくもないけど、ちゃんとストーリーに深みも感じるのが今作の面白いところ。

ただ、細部の詰めはやや甘いような。

ぶっ飛んだ内容だから、あまり細かいことは気にしない方がいいのかもしれないけど。

(「それはシーズン5までの間にわかる予定だった」って言われちゃったらそれまで。笑)

 

 

わたしはシーズン1・2と一気に見たから細かい設定を忘れずに観られたけど、そりゃ2年以上も間が空いたら忘れちゃう人もいっぱいいて当然だわ。

(制作に時間がかかって効率悪いことも制作中止になった理由かも。)

 

 

 

シーズン1

いやー、シーズン1は特に疲れた。笑

ロシア人令嬢だったって言う壮大な始まり方には「わーーーーお」ってなったけど、養子になって、その後監禁されて、みたいなストーリーは詰め込みすぎ感もあったかな。スピリチュアル系は苦手だったから謎すぎるOAの話・行動にも最初は困惑気味に。笑

 

 

監禁の話は、あり得なくない展開でリアリティもあってドキドキ。(すごい装置と地下の監禁施設を作ったハップの財政状況が気になった。笑)ハッピは悪者なのにどこか人間味を感じて憎めないんだよなー。研究への執着でおかしくなっちゃう人、いそう。

とにかく、良い子は知らない人について行っちゃダメ!絶対!

 

 

「動作」についてはいまいちしっくり来なかった。臨死経験中の出来事から得た発想の結果ががダンスになるっていうのは謎。神秘的ではあるけど。臨死体験した人にしか出来ない特別な儀式的な物かと思ってたけど、動きを覚えれば誰でもできるっていうのはちょっと予想外かなー。

 

 

解放後のプレーリーは監禁仲間との絆が強くなり過ぎて、せっかく戻ってきたのにロシアの思い出とOAとしての目的ばっかりで、娘から何も聞かされないまま振り回される里親の二人がひたすらかわいそうだった。

(フレンチがOAに「里親の気持ちも考えなよ」みたいなこと言うシーン、そうそうって頷きながら見てた。笑)

 

 

OAの監禁生活や臨死体験のクレイジーな側面と、若者達が生きるリアルな悩み多き日常とのコントラストが面白い。

不器用なティーンエイジャーには見ててヤキモキしたけど、そのピュアさが作品の神秘的な雰囲気に必要な要素だったと思う。

 

 

最後のマスシューティングのシーンは、今までのSFなストーリーから急にリアルに感じて怖かった。

あれがプレーリーを別次元へ連れて行くためだけのイベントだってことなんだろうけど、里親的にはあんな死に方されちゃうなんて辛過ぎーーーーー。泣

 

 

シーズン2

シーズン1ではふわっと進むスピリチュアルなストーリーにちょっと気が遠くなったけど、シーズン2で少しずつ形になって来る感じがワクワクした。 

個人的にはシーズン2の方が好きだったかも。

 

 

ところどころ意味不明過ぎる場面も多々。

謎のタコとか、急にロシア語訛りのニーナとか、持ち運び用ダンスロボまで出てきて笑う。

 

 

スティーブ達が今シーズンで成長してるのも見所。

フレンチ(ソーサ)は自分がゲイだって気付いたり、スティーブが自分を愛してくれる彼女見つけたり。ジェシーはトラウマ抱えて悩んでたみたいで、目的達成する前に死んじゃったのは残念。

シーズン2はBBAの活躍が多め。今度はティーン達がOAを助けようとするわけだけど、BBAが彼らのバランスを取る役目をしていた感じ。でもスピリチュアルな目覚めは唐突すぎてちょっと納得できず。

 

 

ゲームについてはもうちょっと手のこんだつながりがあるのかと思ったけど、若者をおびき寄せるための罠だっただけか。もっと複雑な仕掛けがあるのかと思ってたー。

 

 

今度はほぼ別次元へのジャンプだけに焦点が当てられてて、「動作」については形だけで結果はどうにでもなるみたいな曖昧さが気になった。(臨死体験した人が踊らなきゃいけないものだと思ってた)

ハップの目的も死後の世界のから、別次元への旅行に変わってるし。

動作の結果は希望の用途によって何にでもなるってこと? 5人で踊れば別次元にジャンプできて、数人なら病気や死人を助けられるとか…? 

 

 

ハップ達とOAの行った次元が同じだったのは、OAが特別な力でその次元を選んだからなのかな。「旅行者」のエロディが「OAとハップとは光と影のような関係」って言ってたけど、それがお互いを引き寄せているのかも。

 

 

なんかシーズン2は見終わった後に???てなるディテールが多かった気がする。

レイチェルが鏡に現れたり声が聞こえりするのはどうやって?て感じだったし、BBAが急にOAの存在を感じられるようになったりとかも経緯がわからず謎。

 

 

「あとは視聴者が想像して」って感じの「なんとなく」な流れが所々あってちょっと気になった。

いろんな伏線を散りばめるならディテールはちゃんと繋がってて欲しい!!

今回曖昧なまま終わっちゃったことが、制作予定だったシーズン5までに全部わかるはずだったのか、そもそも細かいことはなんとなくでいいやって言うスタンスだったのかが気になる。

 

 

いろんな設定が詰め込まれて壮大に始まったストーリーだったから、びっくりするような展開を期待し過ぎたのかもしれない。

 

 

最後の最後はドラマ『The OA』のセットと思われる場所で、本人役ブリット(OA)とジェイソン(ハップ)として存在してる訳だけど、もしシーズン3が始まったらこのまま本人を演じるって言うのもまた変な感じではある。笑

 

 

登場人物たち

プレーリーは、何かとイラッとポイント多め。笑

特にシーズン1では、心配して世話してくれてる里親よりホーマーのことばっかり(ホーマーもなんかパッとしないんだよなー笑)だし、ロシアでの生活ばっかり美化してるし、自分の目的のために若者達を都合よく利用してるのになぜか崇拝されてるし。笑

 

 

シーズン2で別次元にいる養母ナンシーに「ありがとう」って伝えるシーンあるけど、遅すぎるわ!!

ニーナのときのOAの方が好き。プレーリーの時は自分勝手&スピリチュアル過ぎシーズン2になってやっと自分で問題解決しようとするニーナの時の方が、キャラクターとして共感出来た。

 

 

OAを助けるティーン(+BBA)達は、どこにでもいる冴えない学生感が最高!

リアルで複雑な悩みと戦う彼らの存在は、SFな世界観とのバランスをとる存在で良かった。

個人的には、BBAが特にお気に入り。(最初BBAが日本語で言う「ババア」のことかと思ってびっくりした。笑)

 

 

ハップは悪者のはずなのに、どこか人間味があって同情してしまう。普通の人なのに何かが

 

 

シーズン2の登場人物は、レギュラーキャラ&カリム以外ほぼ謎だらけのままおわっちゃったなー。ゼンダヤが出てきたのはちょっと嬉しかった!

 

 

今後の予想

 

シーズン2の公開後しばらくしてその後の制作が打ち切られた本作。

ここで終わっちゃうなんて困るーーーー!!

 

 

ここまで観て気になって仕方ないのは、

  • 恋人ピエール、FBIカウンセラー・ラヒム、旅行者エロディー、巨大タコの正体。

  • お屋敷の謎全般。(霊能者&エンジニアとニーナの繋がりとか)

  • ニーナの次元でのBBAの居場所。

  • カリムが見たドレス姿のニーナ。

  • 一番最初にプレーリーが橋から飛び降りた(自殺しようとした)理由。

などなど…(キリが無い)

 

 

それを踏まえ、シーズン2までの内容から残された謎と今後の展開予想をしてみました。

 

 

  • OAの由来はOriginal Angelってことらしいから、動作と次元旅行、治癒の関係を最初に発見・実行したのがOA(プレーリー)だったってことでOriginal Angel!?

  • エロディーが使ってた踊るロボットの動作もOA達と同じだから、エロディーは別の次元でOAもしくは動作を知る誰かと繋がってる!?

  • カリムがかこに見たOAはSYZYGYに訪れたときのドレスを着ていたから、今後次元だけじゃなく時間を選んでジャンプすることもできるようになりそう。

  • ニーナが霊能者であることで、巨大タコや喋る木など自然からのメッセージを次元を超えて人類に伝えることがOAの使命とか!? 

  • 「エンジェル」っていうのはなんとなく宗教的なイメージを持っちゃうんだけど、”神の使い”的な役割だとしたら、ニーナの次元の霊能者みたいなことと関係あるのかも…?