※この記事には映画『クライム101』のネタバレを含みます。

Amazonプライムで配信中の映画『Crime 101(クライム101)』を観ました。
クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、ハル・ベリー、バリー・コーガンなど、なかなか豪華なキャスト。
しかも、よく見るとアベンジャーズやDC作品に出演しているスーパーヒーロー&ヴィランが勢揃いしているという、ちょっと面白い顔ぶれ。
とはいえ、今回はもちろんヒーロー映画ではありません。
ロサンゼルスを舞台にした、窃盗犯と刑事、そして保険会社に勤める女性を中心に描かれるクライム・スリラーです。
監督・脚本は『アメリカン・アニマルズ』などのバート・レイトン。
原作はドン・ウィンズロウの同名小説。
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ヒーロー映画とはまったく違うジャンルで、彼らがどんな演技を見せてくれるのか。
そして、これがなかなか面白かった!
最近観た映画の中でも、かなり上位に入る作品でした。
- 「誰も傷つけない窃盗」をモットーにする男
- 派手なハイスト映画とはちょっと違う
- LAなのに、キラキラしていないロサンゼルス
- クリス・ヘムズワースが全然笑わない!
- 相変わらず狂人役が似合うバリー・コーガン
- マーク・ラファロ、また刑事役なの?笑
- ハル・ベリー、こんな美しい53歳いる?
- ディヴィスとマヤの恋が尊い
- ツッコミどころはある。でも終わり方は気持ちいい!
- まとめ:よくあるハイスト系の派手さはないけど、かなり面白い大人のクライム映画
「誰も傷つけない窃盗」をモットーにする男

物語の中心となるのは、クリス・ヘムズワース演じるデイヴィス。
ロサンゼルスで高級宝石を狙った窃盗を繰り返す、かなり腕の立つ犯罪者です。
彼には独自のルールがあり、それは「誰も傷つけないこと」。
人を殺したり、無闇に暴力を振るったりすることなく、綿密に計画を立てて仕事をこなす。
いわば、犯罪者でありながら自分なりの美学を持っているタイプ。
日本でいうところの、あの有名な3億円事件をちょっと思い出すような、「誰も傷つけない窃盗」という考え方。
もちろん犯罪は犯罪なんだけど、こういう設定って、どうしても犯人側に肩入れしたくなってしまうんですよね。
デイヴィスは非常に慎重で、仕事の準備から実行まで徹底している。
警察の裏をかきながら、ロサンゼルスの高速道路101号線周辺で窃盗を繰り返しているため、警察もなかなか尻尾をつかめない。
しかし、そんな彼の犯行パターンに気づき始めた刑事がいます。
それがマーク・ラファロ演じるルー。
こちらは、いわゆる現場叩き上げ系で、決して華やかなエリートではなく、地道に捜査を続ける中年刑事です。
一方、ハル・ベリー演じるシャロンは保険会社に勤める営業担当。
仕事では優秀なのに、年齢や社内での立場など、いろいろと不満を抱えている女性。
そんな3人の人生が、ある大きな窃盗計画をきっかけに交差していきます。
単純な「泥棒VS刑事」という構図だけではなく、それぞれが自分の人生の岐路に立っているところも、この映画の面白いところ。
派手なハイスト映画とはちょっと違う
窃盗をテーマにした映画というと、個人的には『オーシャンズ』シリーズのような、華やかでスマートなハイスト映画を想像するんだけど、今作はちょっと違う。
夢のある大掛かりな計画や、スタイリッシュなチームプレーを楽しむタイプではありません。
もっと地味で、もっと現実的。
窃盗の手順も、逃走も、警察との駆け引きも、かなりリアル寄りに描かれています。
だからこそ、カーチェイスや実際に窃盗を実行するシーンはハラハラする。
派手な演出で盛り上げるというより、状況そのものがスリリングなんですよね。
特に車を使った逃走シーンは見応え抜群。
最近のアクション映画って、CGを駆使した派手な爆発や大掛かりな演出が多いけど、こういう現実的なカーチェイスもやっぱり良い。
窃盗の準備から実行まで、細かい部分を見せてくれるので、犯罪映画好きにはかなり楽しめると思います。
LAなのに、キラキラしていないロサンゼルス

そして、個人的にこの映画で好きだったのが、舞台となるロサンゼルスの描き方。
LAが舞台というと、どうしてもセレブ、豪邸、高級車、派手なパーティー……みたいなイメージがあるんだけど、今作はそういうキラキラでケバケバした雰囲気があまりない。
もちろん高級住宅街や宝石店なども登場するんだけど、それ以上に印象に残るのは、街の普通の風景。
LAのホームレス問題を揶揄するようなシーンもあって、街の貧富の差を表現するような作品。
主人公も、貧困の中で育ったことになっているし、LAの影の部分を表現したかったのかなと。
道路、駐車場、オフィス、住宅街。そこに暮らす人たちの日常。
そして、リッチな人たちと、そうではない人たち、その中間にいる人たち。
みんなそれぞれ、自分の仕事や生活に必死になっているわけ。
今作の主要人物はみんな中年世代で、それぞれ人生の壁にぶつかっている。
若者が夢を追いかける青春映画ではなく、ある程度人生を重ねてきた大人たちが、今の自分に満足できず、何かを変えようともがいている話でもあるんですよね。
犯罪者も刑事も保険会社の営業も、立場は違えど、結局みんな自分の人生をどうにかしようとしている。
そういう意味では、単なるクライム映画というより、人生ドラマとしても楽しめました。
クリス・ヘムズワースが全然笑わない!
そして、今回のキャストについて。
まずは主人公のデイヴィスを演じるクリス・ヘムズワース。
いや、クリス・ヘムズワース全然笑わないじゃん!笑
私の中では、どうしてもアベンジャーズ、『マイティ・ソー 』のイメージが強いし、どっちかっていうと笑顔がかっこいいイケメン俳優なの。
ソーも、明るくて、豪快で、ちょっとお茶目なところもあるキャラクター。
でも今回は、終始かなり無表情。
冷静で、几帳面で、感情をほとんど表に出さない男。
クリス・ヘムズワースが一度も笑わない映画を観たの、これが初めてかもしれない。
同じ俳優なのに、役柄が違うだけでこんなに印象が変わるんだなと。
筋肉ムキムキのヒーローというイメージから離れて、静かな犯罪者を演じているのが新鮮でした。
ただ、個人的にはもう少し感情が見える演技でもよかったかな、とは思う。
でも、あの徹底した無表情もデイヴィスという人物には合っていたのかも。
相変わらず狂人役が似合うバリー・コーガン

そして、バリー・コーガン。
この人は本当に、こういう役が似合う。笑
演じるのはオーモンという若い犯罪者。
デイヴィスとは対照的に、かなり危うくて、予測不能なタイプ。
自分の欲望に忠実で、どこか壊れているような雰囲気がある。
バリー・コーガンって、普通にしていても何となく不穏な空気があるというか、目の奥がちょっと怖いというか……。
もちろん役柄によるところもあるんだけど、こういう狂人役を演じさせると本当にいい味が出る。
デイヴィスの「誰も傷つけない」というルールとは正反対の存在で、二人の対比も面白かった。
彼が出てくると、何か起こるんじゃないかと身構えてしまう。
こういうキャラクターがいると、物語に緊張感が出ますね。
マーク・ラファロ、また刑事役なの?笑

そしてマーク・ラファロ。
こちらはルー刑事役。
……いや、何度目?ってくらい定番になった刑事役じゃないですか。笑
ごめん。
もちろん、ハルクのイメージも強いんだけど、こういう疲れた中年刑事も本当に似合う。
今回は、仕事に人生を捧げてきたような男で、家庭や自分自身の人生にもいろいろと思うところがある。
派手なアクションをするタイプではなく、地道に捜査を続けて、少しずつ犯人に近づいていく。
クリス・ヘムズワースのデイヴィスとは、まさに対照的な存在。
二人とも仕事に対しては非常に真剣で、自分なりのルールや正義を持っている。
こういう、犯人と刑事の間にある妙な共通点を描く作品は好きです。
ちなみに、マーク・ラファロとクリス・ヘムズワースといえば、MCUではハルクとソー。
今回は二人ともまったく違う立場で共演しているわけで、そういう意味でもちょっと面白いキャスティングでした。
ハル・ベリー、こんな美しい53歳いる?

そして、ハル・ベリー。
今回の役は、保険会社で働く営業担当シャロン。
社内では年齢を理由に軽く扱われたり、若い世代にポジションを奪われそうになったり、仕事でもなかなか報われない。
こういう中年女性のリアルな悩みを描いているのは良かったと思います。
ただ……
こんな美しい53歳、いないって。笑
いや、もちろんハル・ベリーが美しいのは昔から知っているけど、改めてすごい。
53歳のお局営業役という設定なのに、画面に映るたびに「いや、綺麗すぎるでしょ」と思ってしまう。
役柄としては、仕事にも人生にも不満を抱えている女性なんだけど、見た目の説得力がすごい。笑
とはいえ、単なる脇役ではなく、物語の重要なキーパーソン。
彼女自身も人生を変えたいと思っていて、デイヴィスとの出会いによって大きな決断を迫られることになります。
ディヴィスとマヤの恋が尊い
そして、個人的に好きだったのが、デイヴィスとマヤの関係。
クライム映画なので、恋愛要素はそこまで期待していなかったんだけど、二人のラブストーリーはなんかピュアで良かったなぁ。
変にドラマチックに盛り上げすぎないところが良い。
犯罪や駆け引きが中心の物語の中で、こういう素朴な人間関係が入ってくると、ちょっとホッとする。
ツッコミどころはある。でも終わり方は気持ちいい!
もちろん、細かいところを見ればツッコミどころもあります。
登場人物の行動に「いや、それはちょっと無理がない?」と思う場面もあるし、展開が都合よく進む部分もある。
でも、そこまで気にならなかった。
何より、最後が気持ちいい。
クライム映画って、どうしても後味が悪かったり、救いのない結末だったりする作品も多いけど、今作は最後にちゃんと爽快感がある。
もちろん、すべてが完璧に解決するわけではないし、登場人物それぞれの人生にもいろいろある。
それでも、観終わったときに嫌な気持ちが残らない。
個人的には、こういう終わり方は好き。
あれだけハラハラさせておいて、最後に気持ちよく着地してくれるのはありがたい。笑
まとめ:よくあるハイスト系の派手さはないけど、かなり面白い大人のクライム映画
『クライム101』、正直、観る前はここまで面白いとは思っていませんでした。
ヒーロー映画のイメージが強い俳優たちが出演していることもあって、最初はキャスト目当てで観始めた部分もあるんだけど、ストーリーもしっかり面白かった。
派手なハイスト映画とは違って、かなり地に足のついたクライム・スリラー。
ロサンゼルスの街並みも、登場人物たちの生活も、どこかリアル。
そして、犯罪者、刑事、保険会社の営業という、それぞれ違う立場の人たちが、自分の人生をどうにかしようともがいているところも良かった。
クリス・ヘムズワースの無表情、バリー・コーガンの狂人っぷり、マーク・ラファロの安定の刑事役、そしてハル・ベリーの美しさ。笑
脇役も含めて、キャストそれぞれがいい味を出していました。
特に、デイヴィスのパートナーのおじいちゃんもいい味を出していて、脇役がちゃんと魅力的。
こういうメインストーリー以外の人物にも生活感がある作品は、観ていて楽しい。
個人的には、最近観た映画の中でもかなり上位に入る面白さ。
大作ヒーロー映画や派手なアクションに少し飽きてきた人にもおすすめしたい作品です。
派手さはないけど、最後までしっかり楽しめる。こういう大人向けのクライム映画、やっぱりいいな。
評価:★★★★☆ 4.2/5.0









