『ストレンジャー・シングス』のミリー・ボビー・ブラウン主演。
あの名探偵シャーロック・ホームズには歳の離れた妹がいた、っていうミステリー好きにはなんともワクワクする設定。
今年5月には続編の制作も決定し、今後シリーズ化しそうなエノーラ・ホームズ。
シャーロック・ホームズの原典には登場しない妹エノーラですが、実はナンシー・スプリンガーによるティーン向け小説シリーズ『エノーラ・ホームズの事件簿』が原作。(現在すでに5作品発行されています。)
こちらが今作の原作本↓
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ちなみに今作の予告編はこちら
でも、ミリー演じるエノーラがとにかくハマり役だし、キャストが豪華だし、大人から子供まで楽しめる映画だと思います。
ミリボビちゃんファンは必見!!
監督は『キリング・イヴ/Killing Eve』のハリー・ブラッドビア。
「Netflixのテレビ映画にしてはやけに手が込んでるなー」と思ったら、
新型コロナウイルス流行のために劇場公開が断念されたためNetflixが配信権を獲得し、Netflixオリジナル映画として配信されたんだとか。
(ミリー・ボビー・ブラウンのおかげでNetflixボロ儲けじゃんか笑)
ストーリー
母と二人でホームズ家のお屋敷で暮らしていたエノーラ。が、16歳の誕生日に突然母が失踪。
母の居場所を突き止めるため、兄マイクロフト&シャーロックが実家に戻って来る。
母を探すため、兄達を振り切って単身ロンドンへ出たエノーラは、失踪中の若き貴族との出会いを機に恐ろしい陰謀に巻き込まれる。
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キャスト
エノーラ・ホームズ【ミリー・ボビー・ブラウン】
母から独自の教育を受け、自由奔放に育てられた16歳の少女。
『ストレンジャー・シングス』のイレブン役で一躍有名子役となった演技派女優。
母国のイギリス人としての役を見たのは初めて。イレブン役と比べたらすっかりお姉さんになってしまったミリーだけど、無邪気でおてんばなエノーラ役がぴったりでひたすらかわいい!そして相変わらず演技も素晴らしい!
最近はコスメブランド「フローレンス・バイ・ミルズ」を手掛けるなど、ビジネスウーマンな一面も。姉のペイジと共に今作のプロデューサーとしても名を連ねています。
一段と大人っぽさが増してきてるから、少女役のミリーが見られるのもそろそろ終わりかなー。
代表作:『ストレンジャー・シングス』、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』など
シャーロック・ホームズ【ヘンリー・カヴィル】
言わずと知れた名探偵。ホームズ家の次男。
オリジナルのシャーロックとは(個人的に)イメージ違うマッチョホームズ。嫌いじゃない。笑
最近では自身のインスタでゲーム用PCの組み立て動画をUPし「地球上で最もホットなオタク」としてネットを騒がせた彼。笑
この人の自然体で飾らないところも魅力。
代表作:『マン・オブ・スティール』、『ジャスティス・リーグ』、『ウィッチャー』など
マイクロフト・ホームズ【サム・クラフリン】
ホームズ家の長男。
保守的な考えの持ち主で、女性らしくないエノーラの奔放さが気に入らない。
実際にはシャーロック役のヘンリー・カヴィルより年下だけど、今回は兄役。
この人時代ものの衣装が似合うよねー!シャーロックとはまた違った雰囲気の厳格で嫌な兄役と口髭がハマってた。
代表作:『ハンガー ゲームシリーズ』『スノーホワイト ]』、『ピギーブラインダーズ』など
テュークスベリー子爵【ルイス・パートリッジ】
公爵家の息子。
失踪中にエノーラと出会う。
17歳のイギリス人俳優。どのアングルでも美しい美少年!最近流行りのティモシー・シャラメ系イケメン(Tiktokとかにいそう)て感じで、今後人気爆発しそうな予感。
まだ学生だけど、卒業したら本格的に俳優業に専念する予定だとか。来年公開の『The Lost Girls(原題)』(歳を取ったウェンディが登場する、ダーク版ピーターパンらしい)では、ピーターパン役。楽しみだわ。
代表作:『メディチ』
ユードリア・ホームズ【ヘレナ・ボナム=カーター】
マイクロフト、シャーロック、エノーラの母。
女性は良き妻になることが良しとされていた時代に、自由奔放な教育でエノーラを育てる。エノーラの16歳の誕生日に謎の失踪を遂げる。
ちょっと変わり者女性役がもはや定番のヘレナ・ボナム=カーター。
彼女の独特な雰囲気大好き!
代表作:『ハリー・ポッターシリーズ』、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』、『オーシャンズ8』など
〜ここからネタバレあり〜
感想【ネタバレあり】
ミステリー要素
ホームズが出て来るからって本格的なミステリーを期待するとちょっと拍子抜けするかも。もうちょっと本格的なミステリーを期待してたらそっちじゃなかった。笑
でも、これはこれで面白い!!
ミリー人気にあやかっただけの映画かと思いきや、他のキャストも豪華で何よりイケメン率高し!!笑
どちらかというとティーン、家族向け映画なのかな。謎解きどうこうよりも、ティーン探偵として奮闘する天真爛漫なエノーラの冒険と成長が見所。ミステリー映画というよりは冒険物語って感じ。ミリーのアクションシーンもあるしね。
でも、名探偵シャーロックが出て来る割には特に活躍は無いから、シャーロックファンが見るとちょっとがっかりするかもしれない。シャーロックの魅力もイマイチ発揮されていなかったかな。
個人的にはもうちょっと兄妹二人のコラボが見たかった!!
ミリーがかわいい!
とにかくお茶目なミリーの魅力満載の作品でした!
母と娘の絆を感じる秘密の暗号や、カメラに語りかけながら推理するスタイルもかわいい。(エノーラ(Enola)を後ろから読むとAloneになるっていう文字遊びもかわいい。)
ティーンエイジャー特有のみずみずしさと無邪気さが羨ましい限りだわ。笑
今作にはテュークスベリーとのラブストーリー要素もあったけど、ティーンエイジャーらしく甘酸っぱい初恋として終わったのはむしろ好印象。『ストレンジャー・シングス』の時みたいにチューとかしてくれなくてよかったわーほんと。笑
そもそもエノーラのキャラ的に、「ここで貴族のイケメンと落ち着くよりもっとやることがある!」って感じなのかも。
ガールズパワーを猛プッシュ
最近のガールズ映画に多い、フェミニズムを強く押して来る感じ。
時代設定的に当時は男性優位な社会だったんだろうけど、女性が自分で道を切り開いてもいいんだっていうメッセージが込められていたのかなと。
自立する女性を後押しするようなトレンドには大賛成なんだけども、じゃあ結婚して良いお母さん・良い妻になりたいって言う女性は「野心のないダメ女」かって言ったらそうじゃないし、作品によってこの辺のプッシュの仕方が難しいよなーといつも思う。
今作は、時代背景も考慮してある程度の過激さ(母の秘密結社とか、爆弾作戦とか)は眼を瞑るとして、革命家の母によって奔放に育てられたエノーラだからこそ、自分の道を突き進みたいっていう気持ちも伝わって来るピュアな動機が良かった。
社会派でもある
テュークスベリーの家族も母の失踪も、政治的な背景が所々に散りばめられている今作。
今後の国の未来に影響する選挙権改正で危機を感じる人(マイクラフトとか)も、変化を望む人(エノーラの母とか)もいる。
散々自立した女性像をプッシュしておいて、黒幕が実はおばあちゃん(保守派の女性)だったってところも、興味深い。「古き良き時代」に執着するあまり、自分の息子や孫の命まで狙うとは。
政治について、自分はシャーロックと同じ中立だと思っていたけど、柔術の名手エディス【スージー・ウォコマ】の名言にはさすがにハッとしてしまったわ。
(ちょっと話飛躍するけど…)
わたしもカナダに住んでいると、やっぱり(日本と違って)人種の優位性とか不平等を感じることが少なからずある。最近の「#Black Lives Matter」運動がいい例だけど、そこに存在してるだけで他の人種より優遇される人・不利な扱いをされる人がいる。
そう言うことって今の社会の仕組みに不自由してない人・差別されたことがない人(人種問題でいう白人達)には分からないし、むしろ権力者にしてみれば変えたら自分が不利になるんじゃないかって言う不安から変化を恐れる傾向があったりもする。
だから、変化のためにはエノーラの母達みたいに声を上げて戦う(爆弾はどうかと思うけど笑)必要があるのかも。
日本でも、女性がセクハラ問題を訴えただけで不当な扱いを受けたり、著名人が犯罪を犯しても超軽い刑(もしくはお咎めなし)しか受けなかったり、理不尽な事件見かけるけど、自分に直接関係ないからって誰も何も言わなかったら今後もそのままなんだよーってことだよな、と思ったりするのでした。
(長々失礼)
続編は!?
結局最後、母親との再会は果たしたものの、お母さんまだ家には帰って来なそう。
そして今後はシャーロックがエノーラの面倒を見ることになり、エノーラもこのままロンドンに残りそう。
このまま「はい、おしまい」ってわけでもなさそう???!!
だから、今回シャーロックがおまけみたいな感じだったのは逆に今後のコラボがあり得るから!?とちょっと期待。
実際、原作小説は今のところ5作品出てるし、このままシリーズとしても全然行けるじゃん!笑
ミリーが今16歳だから原作のエノーラ(14歳)より年上だし、今後いつまでティーンエイジャー役できるかってとこはあるかもしれないけど、このままのキャストで新しい展開があるなら楽しみ!!
まとめ
☆星 3.8 個☆
※とにかくミリーがハマり役!彼女の魅力が存分に現れている作品だった。
※キャストが豪華!ミリー人気に頼っただけの作品かと思いきや、他の名俳優陣もいい味出してた。
※個人的に大好きな時代設定。カメラに向かって語りかけるエノーラのフラッシュバック推理法(?)も面白い。
※ミステリーファンとしては不完全燃焼な内容。ホームズが出て来るのにミステリーが薄っぺらく、先が読めてしまうありがちな展開はちょっと残念。