探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

【ネタバレあり】Netflix『ルパン:LUPIN シーズン1&2』シーズン2公開中!!復讐に燃える、型破りな怪盗ルパンの活躍

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Netflix新シリーズ。

公開早々人気急上昇、海外でも評価がめちゃくちゃ良い今作。(Rotten Tomatoでは批評家満足度97%!!)

ネットフリックス・フランスのオリジナル作品としては快挙!!

 

あの怪盗ルパンの現代版!?と思いきや、このルパンにはある特別なお宝を巡ったバックストーリーが。おしゃれでクールなルパンのイメージはそのままに、悪を制す泥棒といて活躍する主人公がかっこいいドラマです。

 

大きな体で泥棒っていうのはちょっとキャラ違いかとも思ったけど、彼の場合は泥棒の物語というよりも復讐の物語。でも重苦しすぎず楽しめるドラマでした。主役のオマール・シーはハリウッド作品にも多数出演している今注目のフランス人俳優。おしゃれでチャーミングな彼の魅力も詰まった作品です!

 

正直、個人的にシーズン2は1と比べてワクワク感が減速してるような気がしたけど、批評家の評価は相変わらず高い!

すでにシーズン3の公開が決まっているので今後の展開も気になるところ!

 

原作に出てくるようなトリックを参考にしてるシーンも多々あって、これを観るとオリジナル版を読んでみたくなる!!

 

 

 

ストーリー

25年前、ペルグリニ家に使えていた父が濡れ衣を着せられ自殺に追い込まれた。少年アサンは、父が自分の誕生日プレゼントに残した小説「怪盗ルパン」を愛し、ロールモデルにしていた。

25年たった今、父の事件の手がかりである「マリー・アントワネットの首飾り」を手に入れようと奮闘する。

 

 

キャスト

アサン【オマール・シー】

 
 
 
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富豪ペリグリニが所有する「マリー・アントワネットの首飾り」を狙う泥棒。

 

このルパンは小説のルパンをロールモデルにしながら、父への復讐に燃えるプロの泥棒。ジョーダンのスニーカーを履く、クールな現代版ルパン。

オマールはフランス出身だけど、ハリウッド作品にも多数出演する注目俳優。

 

出演作:『最強のふたり』、『あしたは最高のはじまり』など

 

クレール【リュディヴィーヌ・サニエ】

 
 
 
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アサンの幼なじみで元恋人。二人の間にはラウール*1という息子がいる。

 

出演作:『スイミング・プール』など

 

ペルグリニ【ハーヴェ・ピエール】

マリー・アントワネットの首飾りを所有する富豪。

 

 

感想【ネタバレあり】

シーズン1

小説怪盗ルパンとのつながり

予告観るとルーブルが出てくるし宝石が出てくるし、怪盗の話なのかと思って観始めたわたし。オーシャンズ11みたいなのを期待してたから期待通りではなかったけど、これはこれで面白かった。

 

貧しくて慎ましい家族を陥れる大富豪。

悲しい過去。

妻との微妙な関係。

協力者の悲しい死。

などなど…

物語の流れは単純ではあるんだけど、その分安心して観ることが出来るし、家族で見ても面白いドラマだと思います。

 

ルパンって言うから、日本のルパン3世みたいにどっかで本物と繋がっててーとかいう設定かと思いきや、ルパンの存在がバックストーリーの一部になっていて、ルパンに憧れる主人公がそのモットーとトリックを使って悪を倒すっていうヒーローもの。

  

黒人の主人公でルパンをテーマにするっていうのは新しくて良かったんだけど、今作の典型的な設定とキャスト配置は「白人に作られた黒人主役の作品」感がすごい。笑

アサン以外のメインキャストはみんな白人だし、ペルグリニとの対比も典型的。よくあるイメージで作られた設定って感じ…

 

怪盗アサン

一番面白かったのはやっぱり冒頭のルーブルのシーンかも。美術館からお宝を盗む「ザ・怪盗」な展開にワクワク!「入る時は清掃員、出る時は億万長者」になっているアサンの姿はかっこいい。

でも、今作でルパンが盗むのはその首飾りだけで他には怪盗の要素無し。それがもったいなかったような。アサンは普段からも泥棒をしてたみたいだけど、警察のフリしてリッチなおばさまから宝石盗むのとか、ただの泥棒じゃん。笑

 

ルパンが小説内で使うトリックを数々取り入れているのは遊び心があって面白かったけど、それ無理ない?て言う場面も多々。(自殺を装って脱獄するところとか、)

あと、ルパンが得意とする変装。所々出てくるけど、もっと大胆な変装も見たいところ。IT担当者と情報提供者の返送なんてほぼ一緒だったじゃん!最後のおじいさんの変装は喋り方も変えてていい感じだったけど、結局刑事にバレちゃってるし。笑

でも、アサン役のオマールの体がすごく大きいからそこから変装させるのが難しいのかも…

 

シーズン2

怪盗ルパンはどこへ?

シーズン1ではキラキラな宝石を盗んだり、アクションシーンみたいなのもカッコ良かったんだけど、今回はもうちょっとダーク。

 

よりペルグリニへの復讐に焦点が当てられていて、泥棒するシーンもほぼ無いしもはや”怪盗ルパン”じゃなくなってきてしまっているような気はした。

ルパンのエピソードになぞった作戦やエピソードは出てくるけど、全シーズンと比べてやや細かい設定の詰めが甘かったような気もする。(回想シーンが全く1990年代に見えなかったり、警察が無防備過ぎたり…)

 

でも、脱走路がカタコンベだったり凱旋門をバックにバイクデートしたり、今シーズンもパリの魅力は詰まっていたと思う。

 

ペルグリニとの決着

ついにペルグリニの悪事を暴くのが今シーズン。

資金洗浄のエージェントが、実はアサン達が雇ったゴス青年だったっていう展開は面白かった。いやー、あの青年大活躍じゃん!

 

アサンが殺人の罪を着せられたときはどうなるかと思ったけど、結局うまくすり抜けてしまう彼のスマートさがどこまでもかっこいい。

 

傲慢な差別主義者ペルグリニはめちゃくちゃ嫌な奴だけど、娘のジュリエットは最終的に利用された形。アサンの逃亡後も、このまま彼を想い続けることになってしまってかわいそうな気もした…

 

まとめ

まず主役のオマール・シーがかっこいいし、とにかく安心して観られる定番の悪党退治系ドラマなので、この続きも期待。もっとアクションシーン増えたら嬉しいな、個人的には。

 

ルパンのイメージを覆すような配役と復讐のストーリーは面白い!

フランスにも根強く残る人種差別について考えさせられる一方、こんな黒人・有色人ヒーローが今後増えていったらいいなーと切に思う。

 

アサンの復讐が完了したシーズン2までで完結かと思いきや、シーズン3も公開が決まっているとなると、今後は全く異なる背景のストーリーになるってことかな?

勝手な予想は、”アサンはパリ以外の街に移って義賊として暗躍する。”ていうのはアリかなと。今後もチャーミングな笑顔とスマートなトリックのルパンの活躍に期待!!

 

評価

シーズン1

☆星 4.5 個/  5 個☆

 

シーズン2 

☆星 3.5 個/  5 個☆

 

※ストーリーは定番だけど、ワクワクする展開で面白い。

※シーズン2からの減速が残念。

*1:ラウールは小説内でのルパンの幼少期の名前。

【読書レビュー】『GONE GIRL』結婚に夢見れなくなるサイコスリラー

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今年の目標は本を読むこと。  

(わたしもそうだけど)英語のリーディングは苦手だけど、勉強の意味も込めて英語の本を読みたいっていう人結構いると思う。

でも、面白く無いならすぐ読むのやめちゃいそうだからレビューが知りたい!ちなみに英語ネイティブじゃない人への読みやすさも知りたい!と思っていたので、同じような人がもしいたらお役に立てればと思って洋書のレビューを始めました。

 

ということで、ここ数年ずーーーーーーーっと「読みたい本リスト」に入っていた”GONE GIRL”から始めることに。今作は作者ギリアン・フリンの代表作となったサイコスリラーです。2012年に出版され「サイコスリラー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたヒット作で、サスペンス・ミステリー好きな人におすすめ。

 

2014年にはデヴィッド・フィンチャー監督により映画化もされていて、主演はベン・アフレックが務めています。

公開時の評価も高かった人気作品のようなので、観たことがある人も多いかも。(私はまだ)

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ちなみにこの本は日本語訳もされているので、日本語で読みたい方はこちら。

 

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ストーリー

結婚記念日に妻エイミーが失踪し、夫ニックが殺人の疑いをかけられる。

メディアに取り上げられ、警察にも追い込まれるニックは無実を訴え続けるが…

 

 

登場人物

ニック・ダン

元ライターだが失職中。

 

エイミー・エリオット=ダン

ニックの妻。夫との結婚記念日に謎の失踪を遂げる。

 

マーゴ・ダン(ゴウ)

ニックの双子の妹。家族が所有するバーで働いている。

 

 

感想【ネタバレ無し】

 

とにかく登場人物がみんなキモイ!!不気味でクセのある人ばっかり。

特に物語が進むにつれてエスカレートしていくから、キャラクターに共感しながら読みたい人は好きじゃないかも。

 

「どんなストーリーにも2つの側面がある…」って文言が本の表紙にあるように、夫ニック側のストーリーと妻エイミー側のストーリーに分かれて交互に展開して行きます。そこで夫婦のすれ違いやお互いの気持ちの変化が見えてまた面白い。

 

結婚してある程度の年数が経って新婚の時のときめきはもう無いけど、かといって熟年夫婦のような人生パートナーみたいな絆はまだ無い、そんな中年夫婦の関係を描いていていろいろと勉強になった。笑

結婚生活って長いし、お互いのいいところも嫌なところも知って、理想と現実の間でモヤモヤしながらやって行かなきゃいけなかったり、相手の家族とうまくいかなかったり…現実を見せられた感じ。

 

少しずつ明らかになっていく妻失踪の真相と夫の秘密、そして事件をエンターテイメントとして消費するメディアと世間の描写がひたすらカオス。 

人間って醜いなー。

 

ラストについては賛否両論分かれると思います。でも最後の最後まで結末に予想が付かないから、どうしても読み切りたくなるはず。作者ジリアン・フリンは、作品を書き始めた当時ラストについては決めていなかったらしいけど、それもある意味すごい。

 

ちなみに、作品内で使われるのはほとんど口語なので、難しい単語も少なく初心者でも読みやすい洋書だと思います。

 

英語の読みやすさ ★★★★★

異常度 ★★★★☆

ハマり度 ★★★★☆

 

 

 

〜ここからネタバレあり〜

 

 

 

感想【ネタバレあり】

 

癖が強すぎる登場人物達

この本は、とにかく登場人物が普通じゃない。みーーーんな嫌なやつ!笑

主人公の二人だけじゃなく、脇役も全員が全員自己中で性悪、と言うか屈折してるんだよなー。(強いていえばニックの浮気相手アンディが一番まともかもしれない。笑)

一見まともなゴウについてはニックを助けているように見えるけど、(双子といえど)自分の状況は棚に上げて兄の夫婦事情に首を突っ込み過ぎな気も。てか、ニックとゴウの双子が異様に仲良過ぎて気持ち悪い。双子だとしても、微笑ましい兄妹愛の域を超えてる。夫が妹とここまで仲が良かったら妻としては気まずいかも。

 

TVホストのエレン、ボニー刑事、エイミーの友人ノエル…

 

作者が女性だっていうのもあるかもしれないけど、ニックがエイミーだけじゃなく色んな女性に振り回されまくるって言うのは興味深い。

 

 

夫vs妻

エイミーは、自分が固執していた「良い妻エイミー」のイメージをうまく利用して、この夫婦の戦いは(予想通り)妻の圧勝となるわけだけど、前半は夫婦の近いようで遠いもどかしい関係と、すれ違いの切なさに同情してしまう。結婚ってそんなもんなのかなーと思ってしまったり。

前半は読者の共感と同情を買って、後半で汚い真実をぶちまけたって感じ。笑

Part 2でエイミーの本性が明らかになってからは、ストーリーもどんどんダークになっていく。

 

ニックはようやく妻に立ち向かっていくのかと思いきや、いざ本人が帰ってくると腰抜け男に戻ってしまうと言う。

ニックは子供がどうしても欲しかったのか、それともエイミーが怖くて何も出来なかったのか、こんなにコロっと手懐けられてしまったのにはガッカリ。

 

実際、この夫婦もその両親もみんな金銭的に追い詰められてて、仕事も無いし世間の目もあるし、このままエイミーの事件(計画)を本にしてがっぽり儲ける方が安泰だと判断したのかもしれない。(フィクションだけど、こういうとこちゃんと考えて作られていると思うの)

そして、ニックみたいな人は誰かに管理されながら犬のように飼われる方がまともな生活を送れるタイプの男なのかもしれない。(ひどい)

(最後のゴウに相談して慰め合うみたいな場面は、やっぱりこの兄妹ヤバイな、と再確認した瞬間だった。笑)

 

 

エイミー

エイミーの気持ち悪いところは、こう言う人いるかもって思わせる「一見普通の女」感。笑

特に女性はいろいろ期待されることが多い(女性は美しくあるべき、料理が出来るべき、子供を持つべき、みたいな想定)と思うし、そんなストレスや悩みを日記の中で吐露していたエイミーには共感できたし同情してた。それは警察もメディアもそうだったはず。(読者もまんまと騙される)

結局、それはニックを陥れるための小細工(でも本音も含まれてるんじゃないかと私は思う)だったんだけど、デシを殺してからはもうそのサイコ具合に吐き気がしたわ。デシも決していいやつじゃ無いんだけど、流石にエイミーへの同情は一切無くなってしまった。 

 

確かに、彼女の「自分殺害計画」への緻密さとコミットメントはすごいんだけど、身を隠している間に出会った二人に所持金取られちゃったり、庶民なら心得ているはずの単純な日常の知識(人前で大金をチラつかせない、とか)が無かったりして、お嬢様育ちが裏目に出てしまう場面は滑稽でもある。

 

ちなみに、タイトルの”GONE GIRL”、失踪したエイミーは女の子って歳でも無いのにあえて”GIRL”になってるのは、エイミーが両親の本”Amazing Amy”の主人公(少女)のように世間に見られているって意味を含んだタイトルだったんじゃないかなー。

 

 

賛否両論なラスト…

エイミーはどこかでミスをしでかすと思って待ってたけど、最後まで隙が無くて完璧なサイコ女だったね。笑

正直ニックには最後にエイミーを刑務所送りにして欲しかったけど、女に弱い(作中でも色んな女性に振り回され続ける)このやさ男にはエイミーを出し抜くのは無理だったわけ。笑

ニックが疑われることでより「儚く美しい悲劇のヒロイン」のイメージが定着していって、世間はまんまとエイミーの計画を信じ切ってしまっていたし、エイミーが帰ってきたときにはもう全てを覆すには手遅れだったんだと思う。

 

個人的にはすっきりしない終わり方だと思ったけど、どう転んでも良い終わり方にならない気がする。ニックとエイミーみたいなサイコ夫婦ならこれしか道がなかったのかなと。とにかく子供がかわいそう。エイミーのようなサイコになってしまうのだろうか…

結局、数年後に夫婦どっちかが「事故で不審死」みたいな結末が待っている気がする。笑

 

 

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評価

☆星 4 個/  5 個☆

 

※人間たちの醜い部分を描いた作品は結構好き。

※人間の心理描写がうまくて、引き込まれる。

【ネタバレあり】DC『ワンダーウーマン 1984』悪との戦いよりも難しいのは自分との戦い!?

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度々の延期がありながら、クリスマス*1にようやく公開となったDCユニバースの最新作!

わたしの住む都市はロックダウン中で、特にやることも行く場所もなかった大晦日に観賞しました。笑

 

正直、ストーリーの内容からしてパンデミックが始まったばかりの混乱の時期に公開しなくて良かったと思う。待って正解。子供も観るヒーロー映画だし、予定の時期に公開してたらちょっとゲンナリするような内容だったかも。

今回ワンダーウーマンが直面するのは「欲深さ」という悪。意外と2020年のこの状況下にぴったり当てはまるテーマだったと思う。

youtu.be

 

ヴィランは『マンダロリアン』のペドロ・パスカル。クールなマンドとは全く違うタイプの欲深いビジネスマンを演じています。前作で悲しい別れ方をした恋人のスティーヴ(クリス・パイン)も今作でカムバック。

1作目から間が空いたけど、今回も相変わらずガル・ガドットが美しかった!!

 

 

 

 

あらすじ

ワンダーウーマンとして市民を守りながら、普段はスミソニアン博物館で働いているダイアナ。1984年になった今でも、恋人スティーヴを失った寂しさから立ち直れずにいた。

ある日、博物館に謎のクリスタルが現れる。

 

キャスト

監督:パティ・ジェンキンス

『ワンダーウーマン』の前作を手がけ、スターウォーズシリーズの次回作も手がけることが決まっている、大注目の女性監督。

代表作:『ワンダーウーマン』、『モンスター』など

 

ダイアナ / ワンダーウーマン【ガル・ガドット】

 
 
 
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女性戦士だけの島セミッシラに住むアマゾン族の王女。

1984年、市民を守りながらスミソニアン博物館で働いている。

 

相変わらず美しいガル・ガドット。

今回は伝説のゴールドアーマーも登場してパワーアップ!ポスターのカラフルな写真すごく好き!

今作では彼女の出身地である中東のシーンもあって、一瞬だけど母国語を披露する場面あり。

出演作:『ワンダーウーマン』、『ジャスティスリーグ』など

 

バーバラ【クリステン・ウィグ】

https://pbs.twimg.com/media/EqGdrqsXMAglPQ0?format=jpg&name=large

ダイアナの同僚。ドジで冴えない自分を嫌い、ダイアナに憧れている。

 

ラブコメ系に出演が多いイメージの彼女。今回はアクションもありの重要な役所。

冴えない自分に劣等感を抱えながらも心優しい一面を持つ、どこにでもいそうな女性をひょうきんに演じていて好印象。

出演作:『ブライズメイド』、『怪盗グルーシリーズ』など

 

スティーヴ【クリス・パイン】

 
 
 
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前作でダイアナと恋に落ちたアメリカ軍のパイロット。ダイアナはいまだに忘れられずにいる。

 

わたしが彼を初めて見たのはリンジー・ローハンのラブコメ『ラッキー・ガール』で、その頃と比べたらだいぶ渋みが増したクリス・パイン。

今作でもワンダーウーマンを支えるいい男。

出演作:『スタートレック』、『ジャックライアン』など

 

マックスウェル・ロード【ペドロ・パスカル】

 
 
 
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一見成功しているように見えるが、実際は破産寸前の実業家。

 

クールな『マンダロリアン』から一転、トレードマークだった口髭も剃って挑んだ安っぽいビジネスマン役が意外にもハマり役だった彼。髪をブロンドに染めて「アメリカ人」になり切ろうとする南米移民の苦労も垣間見える切ない役所。息子のアリスター(ルシアン・ペレス)もかわいくていい演技してた。

出演作:『キングスマン: ゴールデン・サークル』、『マンダロリアン』など

 

 

 

〜ここからネタバレあり〜

 

 

 

感想【ネタバレあり】

 

マーベルのような王道を地で行ったヒーロー映画を期待してみると面白くないかも。

アクションも少なめ、ワンダーウーマンのシーンも少なめ。

けど、ストーリーや作品のメッセージには共感できたし、これはこれで嫌いじゃなかった。

 

1984年が舞台である意味

最近この手のスローバック映画多いよね。

最初のモールのシーンとか、まさに『ストレンジャーシングス』。

 

今作でもファッションとかカルチャーとかのシーンは1984年の雰囲気を盛り込んでいたものの、ストーリーもテーマも別にその時代じゃなきゃいけなかったわけではないような…むしろわたしは途中から1984年が舞台だってこと忘れはじめてた。笑

 

スティーヴが他の男性の体に入って戻ってきて、ダサいウエストポーチとかエアロビのアウトフィットとかをトライするシーンはかわいい。笑

てか、スティーヴがどうやって戻ってくるのかと思ってたけど、この方法なら納得。でも途中のシーンで「農場が欲しい」って言ったおじさんは牛がもらえてるのに、スティーヴは誰かの体に入って戻ってくるって、ドリームストーンの効果に一貫性ない気もする。笑

 

作品として「80年代にフォーカス」というより、製作陣的に、見た目は歳を取らないワンダーウーマンに合わせて、それぞれの時代ごとに映画を作って行きたいっていうことなのかもしれない。

 

憎み切れないヴィラン達

前作は彼女自身の成長のストーリーに加え、善vs悪がわかりやすい「ザ・スーパーヒーロー」な内容だったけど、今作は人間たちの強欲さ愚かさに焦点が当てられていて、どちらかというとワンダーウーマンvs人間のような構図。

マックスウェルとバーバラ(後のチーター)の二人は普通の人間だし、誰もが感じたことがあるはずの劣等感や敗北感に苦しんでいる、何かと共感できるキャラクター。

 

マックスウェルのペドロ・パスカルはすごく良かった!!

あの胡散臭さと、欲に塗れて正気を失っていく演技は凄みがあって最高。マックスウェルには実は辛い過去があって、いつか成功して見返してやろうと思ってたのかな。アメリカのダークな一面も垣間見える。息子アリスター(ルシアン・ペレス)がとにかく健気で、最後に再会するシーンは(出来過ぎではあるものの笑)泣けた。

 

バーバラの存在はありがちなタイプ(地味系ネガティブヴィラン)だけど私は好き。悪いやつって結局はかわいそうなやつなんだよね。

最初のドジでコメディ調なバーバラは良かったんだけど、後半のチーターは若干違和感。クリステン・ウィグってアクション映画で悪役やるタイプじゃなくない?戦闘シーンのチーターも微妙。もうちょっと強そうにカッコよくしてくれても良かったのになー。笑

 

ワンダーウーマン自身も自分の「欲」と葛藤するシーンがあって、現実を受け入れて自ら乗り越える強さを彼女自身も学ぶことになる。敵とのアクションよりも、メンタルの戦い。

そもそもワンダーウーマンとしての戦闘シーンは少なくて、どちらかというと今作はダイアナの物語だったのかも。

 

 

ドリームストーン

願いを叶える力を持つが、同時に大事なものを奪ってしまうドリームストーン。

クリスタルを手に入れて、それ自身になりたいと願ったマックスは賢いなーとも思ったけど、どんどん欲深くなって彼の姿は滑稽。でも人間ってそういうものだよね。(そんなにお腹空いてなかったのに、一口食べたら急にお腹空いてくるみたいな。笑)

 

個人的にどうも納得がいかなかったのは、クリスタルにお願いしたことは「取り消します」っていえば簡単に取り消せちゃうってこと。笑

ワンダーウーマンの一声でみんな願いを取り消し始めるし、いろんな人の「願い」が原因で起きた事故や核戦争も一瞬で無かったことになっちゃって…悪い神様が作った超強力なクリスタルじゃなかったの!!?いかにもアメリカ映画らしいシンプルな設定だなと。笑(失礼)みんなあんなに自己中で残酷なお願いをしておいて、最後はあっさり「取り消す」って言うのがなんか単純過ぎて…

 

中には「温暖化がなくなりますように」とか「飢えや貧困が無くなりますように」とかってお願いする心の美しい人もいるだろうに…(と祈る。)

 

 

ワンダーウーマンとしてのダイアナ

今回の見所は、宣伝用ポスターにもなってるゴールドの翼付きアーマー…のはずなのに、そのアーマーの活躍が少な過ぎる!!

最後の対決でやっと出てくる、めちゃくちゃかっこいい伝説のアーマーなのに、結局序盤でほぼチーター(バーバラ)に壊され、あの翼も強力なアーマーも活躍する場面ほぼ無し。アーマーの伝説と最後の戦いとの繋がりも無し。そもそも、チーターはあのアーマーで戦う程の強敵ではなかったんじゃ無いかなと。

 

てか、スティーヴに別れを告げた後パワーが戻って空をビューーーンて行くの見て「あれ、ワンダーウーマン空飛べたっけ?」てなったんだけど。(そしたらもっとあの翼付きアーマーいらないじゃん。笑)

 

 

まとめ

最初のセミッシラでの幼少時代の回想(このシーンがまたかっこいいんだわ)は、「ズルをしてはいけない。」っていう教訓の話だったけど、現代(1984年)でそれがどう繋がっているのか分かりづらい。

「ズル」っていう意味では、ドリームストーンを使って自分の願いを叶えようとすること自体がそれに繋がっていたのかな。結構最後までしっくりこなかった

 

テーマとメッセージはすごくいいのに、ドリームストーンの起源や効果がうやむやだったり、ヴィランがちゃんと罰せられなかったりして、ヒーロー映画としての爽快感は感じられなかったかも。それが、この映画がイマイチだった理由でもある。

 

最後の雪のシーン、今作のクリスマス公開に合わせて取り直したんだろうなーって感じ(取ってつけたような)がしたけど、スティーヴが入り込んだ中年男性も十分イケメンだし、早くダイアナにも素敵な恋人ができることを祈るばかりです…

 

 

評価

☆星 3.6 個/  5 個☆

 

※スーパーヒーロー作品としては善が悪を倒すワクワク感が少ない。

※メッセージ性が強くて感動。人間の欲について考えさせられる。

*1:日本では一足先の18日に公開したようですね。