探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

Netflix『チェンバース:邪悪なハート』心臓移植により奇妙な体験をするようになった訳とは。

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結構前に見たんですが、せっかくなので今になって投稿。

あっさりシンプルな感想になりました。


ダークな雰囲気とSFぽいアイデアが面白そうで、前々から気になっていたNetflixオリジナル作品。

ずっとわたしの「オススメ」に出てきて、ストーリーも面白そうだから観てみることに。

 

このまま続きそうな終わり方だったのに、なんとシーズン2の政策は打ち切りになったんだとか。Netflixこのパターン多いよねー、やだー。

 

でも、そこまでモヤモヤしない(と思う)終わり方なので、シーズン1だけでも観る価値はあり。

 

 

あらすじ

突然心臓発作に見舞われたサーシャ・ヤジーは心臓移植のおかげで九死に一生を得た。しかし、サーシャは不気味な体験をするようになり、ドナー提供者のベッキーについて調べ始める。

 

キャスト

サーシャ【シヴァン・アルリラ・ローズ】

突然の心臓発作のため、心臓移植を受ける。

 

フランク【マーカス・ラヴォイ】

サーシャの叔父。熱帯魚店を営んでいる。

このおじさん、めちゃマッチョでめちゃいい人。 

こんなセクシーなおじさんいる!?!?笑

 

ベッキー・ルフェーブル【リリヤ・リード】

事故死してサーシャに心臓を移植することになったドナー。

ほとんどが回想シーンとイメージだけの登場だけど、

 

ナンシー・ルフェーブル【ユマ・サーマン】

ベッキーの母。娘の死後は情緒不安定に。

 

ベン・ルフェーブル【トニー・ゴールドウィン】

ベッキーの父。アネックスという怪しげな財団で働いている。

 

エリオット・ルフェーブル【ニコラス・ガリツィン】

ベッキーの双子の弟。薬物依存に悩んでいる。

 

 

感想【ネタバレあり】

展開は予想通りな感じだったけど、ストーリーの進み方は思ったよりもスピリチュアル寄りだった。ネイティブ・アメリカン(先住民)のカルチャーをミックスさせた作品は珍しくて面白かったけど、先住民の呪術?とかが何を意味していたのかは結局微妙。本当はこの先にもっと深い何かがあって、今後解明される予定だったのかもしれないけど…

 

ベッキーの両親がとにかく狂気的で怖い。

ユマ・サーマンこういう役ぴったりだね。笑

 

人間関係としては、ナンシーとその叔父との関係がとにかく美しいのよ。あとはティーンエイジャーならではのナンシーと彼氏のやり取りとか、それがルフェーブル家の家族の関係と対比になっているのかも。この”違い”の対比が結構面白い。

残された双子の弟がほんと可哀想なのよねー。

 

 

このまま続編が出てたらもっと深い解釈ができたのかもしれないけど、シーズン1だけでは、ちょっと物足りないまま終わっちゃったかな。

面白かったけど、最後はもう少しわかりやすく終わってほしかったなー。

【ネタバレあり】映画『グレイマン』Netflixがついに本気出した!豪華キャストの本格アクション映画!

やっと本気出し始めたかNetflix。

ここまでちゃんとしたアクション映画は久々。

 

ここ数年、どれも”Meh”な感じばかりだったNetflixのアクション映画。

登録料値上げやらシェアアカウントの事実上の禁止などなど、こうなってきたからにはそろそろクオリティも格上げしてもらわないとですよね。(マジで)

 

今作は特に、キャストが豪華な上に女性人気の高い俳優陣が揃っていることからも話題に。

確かに、本格的なアクション映画なのに女子が好きなタイプの映画だったと思う。

 

 

キャスト

ライアン・ゴズリング

『バービー』のケン役が決まっているライアン・ゴズリングだけど、私は『きみに読む物語』とか『ラ・ラ・ランド』の優男ライアンよりも、『ブレードランナー 2049』や『ドライヴ』の闇ライアンがタイプだから、今作のシックスはかなり好みのハマり役だったかと。

 

フィッツロイモーリスとの親子のような関係性も、シックスの人間性を感じられてよかったなー。でも、個人的にクレアはちょっとうざかったの。笑

シックスと仲良くなって彼が愛着を持つっていうのはわかるんだけど、あのSassyな態度がさ。もうちょっとただのかわいい女の子でよかったのでは?と。(やきもちではないとは言い切れない)

 

カリスマ性があるキャラクターではないのに、どんな場面でも「いや、本気出してませんよ。」みたいな顔で乗り切る系の役がかっこいいのよこの人は。完璧じゃない、ラフで可哀想な役が、なぜか似合うんですよ、彼は。(伝われ!)

あと、どうでもいいかもしれないけど、彼カナダ人だからね!!ライアン・レイノルズもカナダ人だからね!!(何度でも言う)

 

クリス・エヴァンス

この正統派イケメンをどうソシオパスに仕上げるんだろうかと思ったけど、口髭とか服のチョイスとか…

黄色いタンクトップで出てきた時にもう「あ、これはもうやばいやつに間違いない!!笑」てなりました。

 

ロイドがシックスを”Ken doll”と呼んだり、ところどころにリアルのジョークが混じってたりするのは、監督・ルッソ兄弟の遊び心なのかな。

ピチピチの白パンツ姿を後露からローアングルで撮るシーンが多かったのは、完全にキャプテン・アメリカの”American ass”を意識したに違いない。笑

 

アヴィク・サン

個人的に注目だった脇役は、一匹狼の殺し屋・ダヌーシュ役のアヴィク・サン。

アクションシーンのキレがやばいのよ!さすがボリウッド出身俳優!踊れる人はキレが違うわ。

ダニとの戦闘シーンで、最後に慈悲を見せるところもクール。インドの民族衣装に似せた衣装もカッコよかったです。

 

アナ・デ・アルマス

そうそう、ダニ

アナ・デ・アルマスは007でもチャーミングな諜報員役が可愛かったけど、今作ではもっとハードコアなアクションシーンがいっぱいのかっこいい役どころ。いちいち可愛かったな。

このかわいい見た目とのギャップもいいんだよね。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』でも共演したクリス・エヴァンスと全く異なるタイプの今作で再共演。

 

レジ=ジーン・ペイジ

Netflixの『ブリジャートン家』で人気爆発した魅了したレジ=ジーン・ペイジも出てるんだけど、彼のカーマイケルは悪役としての重厚感には欠けてたかなと。むしろ諜報員役でアクションやってほしかったわ。

でも、、、メガネ似合ってたよ。笑

 

ジェシカ・ヘンウィック

正直、カーマイケルの尻拭いをさせられる部下のスーザンの方が、デスパレートな演技やら最後の裏切りやらからも大物感が感じられたかも。続編出たら、そこではきっとスーザンがカーマイケルを蹴落とすんだろうな。笑

ちなみに彼女には『マトリックス レザレクションズ』の青髪美女役以来注目しております。

余談ですが、彼女スターウォーズのレイ役候補だったんだって。うーん、わかる。

mobayuri.hatenablog.com

 

ビリー・ボブ・ソーントン

忘れちゃいけないのがフィッツロイ!!

最初は彼が黒幕かと思ったんだよなー、ごめん。笑

 

勝手に『ゴリアテ』のイメージが強いんだけど、今回はどこまでも真摯でロイヤルなパパ感がカッコよかったわ。クレアとの関係性も泣けた。

出演作:『アルマゲドン』、『バンディッツ』など

 

おまけ

このプレミアの写真がかわいい。笑

 

見どころ:

クリスと腕組んでるアルフレ・ウッダードがかわいい。カジュアルなドレスも可愛い。

ケン意識した!?なライアンのパステルスーツ。好みではない。

オーラがすごいジェシカがセンター。

ちょっと恥ずかしそうなアヴィク・サンレジ、もっとウェルカムにしてあげて。

早く終われって顔してる、アナ

クレア役のジュリア・バターズが全然13歳じゃない。

そして何より、超ロックスターなビリー・ボブ・ソーントンのギャップがかわいい。

 

 

映像美

私は映画のディテールまでを批評するタイプではないけど、今作は特に、カメラワークやら色・光の使い方やらが絶妙でかっこよかった。

バンコクの花火のシーン、飛行機内の煙(名前わからず)のシーンなど、アクションシーンをより魅力的に撮る演出が素敵だったわ。

 

それに、バンコクとか、クロアチアとか、その場所のチョイスも絶妙だよね。

定番だと香港とかパリとかってなりそうだけど、そこまで定番じゃないロケーションだったのが面白かった。バンコクのクラブのシーンはすごく好きだった。

プラハは壊され過ぎちゃってて気の毒だったけど…笑

 

アベンジャーズ』シリーズを手がけたルッソ兄弟の作品だから、流石のアクションシーンと迫力なんだけど、今作ではさらに凝った色・光使いでその王道のかっこよさをよりおしゃれに仕上げることに成功していたと思う。

 

正直、今作のストーリーはそこまで重要じゃなかった気がする。

データチップのためにここまで全部壊さなくて持って程、触るもの全てを壊していくんだけど、シックスとロイドの関係性やキャラクターを考えるとあり得な差を感じることもなく…

↓↓これがいい例(悪い意味で)↓↓

mobayuri.hatenablog.com

 

ストーリーがうやむやで残念になっちゃう映画もあるんだけど、『グレイ・マン』はそれぞれのキャラクターが引き立ってるからそこのうやむやが気にならなかったのかも。

ツッコミどころは色々あるけど、(なんで落ちた穴に偶然爆弾の材料が揃ってるの?とか笑)それもカバーされるだけの迫力と説得力があったんだと思うな。

 

評価

星 4.5/5!!!!!

 

 

 

 

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』期待はずれ…人気シリーズ最新作

ジュラシック・ワールドシリーズの最新作、北米では既に公開されましたので、観てきましたよ!!

 

監督は、2015年の『ジュラシック・ワールド』で脚本を務めたコリン・トレボロウ。

今作では、1作目のメインキャストが出演するとのことで話題になっているし、キャストについては申し分ない。

ただ、上映時間2時間半。。。本当に見る価値があるかどうか気になる人も多いはず。

 

新旧キャストのコラボレーションを楽しみにしている人は多いだろうけど、うーん…笑

なんとも残念な仕上がりだった気がします。

かつての”恐竜パニック映画”感はどこへ??

 

個人的な総評価は…3.5/10

 

アメリカでは初日の興行収入があの『トップガン』続編を追い抜くほどだったそう。。。

ただ、これはよくある話だけど、この映画については声を大にして言いたい!!

初日の興行収入が高い=面白い映画ではない!!

 

前半はネタバレなし、後半はネタバレも含めつつ、率直な感想を書きました。

ちょっと辛口気味です。

 

 

 

 

全体の感想【ネタバレなし】

ファミリー向け?

ファミリーで観に行くにはちょうどいい映画だったんじゃないかと。

 

夏休み映画だからそもそもファミリー向けなのか、今までの見どころだった”人ガブッ”みたいなシーンはほとんど無し。でも、恐竜の恐ろしさやハラハラする追いかけっこシーンはしっかりあるので、その点は楽しめるはず。

 

ただ、その分大人は物足りなさを感じるかも。

 

今回は新旧キャストの競演が注目された分、そこに頼りすぎてストーリーに厚みを感じなかった。

前作で恐竜達が放たれたことで、人間と恐竜が共存しなければならなくなったわけだけど、すごく部分的なところしか描かれていなかったと思うの。ほぼアメリカだし。

 

せっかく世界中で恐竜が暴れ回るっていう面白すぎるシチュエーションがあったあのに、そこが生かされないまま終わってしまった感じ。。。

 

何も知らずに恐竜映画を期待していたとしたら、期待はずれな思いをするでしょう。

 

 

豪華キャスト

相変わらずのメインキャストと、大きくなったメイジーがかわいい。

でも、今作の一番の見どころは1作目のメインキャスト達(サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム)の登場なはず!!

 

この共演は、元祖ファンのニヤニヤポイントではあったと思う。本当に、みんな当時のキャラのままでキュンとしてしまったよ。しかもみんな美しく年を重ねておられる。。。

何なら今作に限ってはクリス・プラットさえ霞んでたもんね。笑

 

私は今シリーズのハード・コアファンではないけど、1作目を何度身繰り返し観てたから、「あ、このシーンはあの時と同じ!!」みたいなシーンがいくつかあって、ファンなら嬉しくなる見どころ多数でときめくはず!

 

新しく『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール』のデワンダ・ワイズ(この人本当にかっこいいのよ!!)、が加わったり、『ルパン』のオマール・シなどの豪華なちょい役も出演していることにも注目!!

オマール・シが恐竜に追われるシーン、「見るからに美味しそうだもんね」と恐竜側の目線で見てしいました。笑

 

ほんとね、ストーリーには期待しないで。笑

映画を観に行くんじゃなくて、旧キャラの今を見に行くつもりで行ってください!!笑

 

 

ここからネタバレあり!!

 

 

 

辛口感想【ネタバレあり】

恐竜の魅力はどこへ?

致命的だったのは、ジュラシック・ワールドの見どころであるはずの恐竜シーンがいまいちなこと。

CGもっと頑張れただろうになーと思った。全部が悪いわけじゃないの。でも、部分的に荒いところがあると急に現実に引き戻されちゃうのがCGの残念であり、難しいところだよね。

 

ちなみに、私これ観る前日にたまたま2009年公開の『アバター』観たのね。(新作公開前の予習として)

で、2009年映画のCGの素晴らしさに超超感動してたわけ。そりゃそうだよね、世界で一番高評価受けてる映画の一つだし。でも、だから余計2022年公開の超人気シリーズ最新作への技術的なジャッジが厳しくなっちゃったってところは否めない。笑

 

 

一番最初にブルーが現れるシーン、CGが残念すぎて映画に集中できなかったよ。

恐竜のシーンにちゃんと迫力はあるんだけど、恐竜の恐ろしさは感じられなかった。一作目のジュラシック・パークでヤギが食べられちゃうシーンみたいなゾクッとする感じが欲しかったなー。

 

特に、肉食恐竜がコラボするシーンも、もうちょっと大胆にできたのでは!?

ラストの、ティラノVS新肉食恐竜(名前は勉強不足)と対決するシーン。

リベンジに燃えたティラノが頑張ってるのに、ピンチの時になぜか急に現れた巨大鳥恐竜(これも勉強不足)の爪に刺されて敵が死んじゃうの。あれは呆気なさすぎるでしょ。。。残念。。。

 

もうちょっと野生のかっこよさとか、恐ろしさを見たかったかな。思い返してみるとかなりの数の恐竜が出ていたはずなのに、あんまり記憶に残らない。

でも、結局最後はアイコニックなティラノザウルスが勝つっていうのは気持ち良し!

 

 

ツッコミどころ満載なストーリー

今作はストーリーがひどい。笑

2時間半引っ張れるストーリーじゃないよ。恐竜じゃなくて人間の問題(というか家族問題)にフォーカスしすぎたから、恐竜が活躍できなかったんだろうな。

 

そもそも、ヴィランが弱いのよ。だから、根本的なとこを考えると、主人公たちが何と戦っているのかわからない。

世界を牛耳っているバイオシン社が巨大なイナゴ問題を解決するためにメイジーを誘拐するのに、よくよく話を聞いていると、ウー博士はDNAを解析したいだけなんだから、その前にオーウェン&クレアに一本電話入れればよかった話じゃない?笑

 

最後、あれだけ研究所と森林破壊をしておいて、メイジーはあっさりウー博士にOK出すのを見て、最初から最後まで、このダメージは何のためだったんだろう?と思わずにはいられない。笑

 

てかさ、みんな恐竜が目の前に現れるたびに”ちょっと待ってポーズ(手を前に出して睨みつける)”するんだけど、「これ絶対意味ないから逃げてーーーー!!」と毎回思ってた。笑

【余談】作品の政治的傾向

どうでもいいと思う人も多いかもしれないけど、今回の作品は政治的な匂いを感じてしまった(良し悪しではなく、気づいたことがあったという意味で)。

 

北米に住んでいて、トランプ政権以降なんでも政治的に見えるようになってしまったのは良くないことかもしれないけど、どうしても気になっちゃったことがあるのでシェア。

 

本当はこういう見方は好きじゃないけど、超超共和党メディアとして知られるフォックス社*1の政策かと思うほど(実際はユニバーサルだった)です。笑

 

最初からクリス・プラットがカウボーイスタイルで出てきたり、ユタ州等の超保守派地域がフォーカスされていたりと、そこまでは「ふーん。」と思ってたけど…今作のヴィランであるバイオシン社のCEO(キャンベル・スコット)は完全にAppleのティム・クックだし、本社は見るからにApple Parkなの。笑

それがいい悪いってことよりも、あからさますぎて面白いし、最近の映画では稀に見るあからさま具合にちょっと笑ってしまいました。

 

*1:トランプを全力サポートしていたメディアです。ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、マーゴット・ロビー出演のFOXニュースでの実話をもとにした映画『スキャンダル』を観たら少し分かるかも。