2000年に公開されたケヴィン・ベーコン主演『インビジブル』を覚えている人も多いと思うけど、今回は現代版リメイク。当時のは薬でおかしくなっちゃう系だったけど、今度は元がヤバイ人なの。しかも頭脳明晰な大富豪(最強)。
原作は、H・G・ウェルズのサイコスリラー小説『透明人間』。
コロナウイルスのロックダウン前に滑り込み公開となった今作、特別有名な俳優さんは出ていないものの、欧米では公開早々話題になった作品。(公開当初セレーナ・ゴメスもSNSでオススメ映画として紹介。)
米豪合作で、監督・脚本は『ソウ』のリー・ワネル。(どおりで臨場感がすごい!)
ホラー映画が苦手なわたしでも、先が気になって最後まで釘付けになりました!
結局、人間が一番怖いってことです。
ストーリー
裕福な科学者の恋人エイドリアンから執拗な束縛を受けていたセシリアは、姉の助けを借り一緒に住んでいた豪邸から逃亡。
エイドリアンが追ってくることを恐れながらも、友人のジェームズと彼の娘シドニーと共に暮らし始めるが、ある日エイドリアンの弟で弁護士のトムからエイドリアンが死亡したとの連絡を受け、セシリアに500万ドルの遺産が残されていることを聞かされる。
エイドリアンの自殺を信じられないセシリアだったが、新しい生活に踏み出そうとする彼女の周囲で度々起こる怪奇な現象を受け、エイドリアンが自殺を偽装し何らかの方法で透明人間になっていることに気付く。
キャスト
エリザベス・モス【セシリア】
束縛彼氏エイドリアンから逃げるが、彼が透明人間になって自分に復讐しようとしていることに気付く。
どこかで見たことあると思ったら、『ハンドメイズ・テイル』の主役だった人。
追い込まれたセシリアの真に迫った演技が素晴らしかった!
オルディス・ホッジ【ジェームズ】
セシリアをかくまう友人で、娘と共に暮らす刑事。
この人めちゃくちゃかっこ良かった!優しくて娘思いな役柄も素敵だったけど、アクション俳優のような肉体美も素晴らしかったです。(変態)
『ストレイト・アウタ・コンプトン』にも出演。
予告編
〜ここからネタバレあり〜
感想【ネタバレあり】
「もし透明人間になれたら」て言われて、まず頭に浮かべるのは大抵「(ちょっと)悪いことする」でしょうが(ディズニーランドで並ばずに遊ぶとかね)、今作の場合は「悪いこと(復讐)」のために透明人間化を実現してしまった超リッチなDVサイコパスが相手です。
特別有名なキャストはいないけど”どっかで見たことある”俳優さん達がメインキャストで、一人一人の演技は秀逸!目が離せないストーリー展開も最高!
透明人間の怖さととストーリーの面白さ、どちらも楽しめる良作でした。
世間では、イケメン&リッチな束縛透明人間に追われる主人公セシリアが全然美人じゃないって言われてるけど、実際はそのキャスティングも計算のうちでしょう。
普通っぽい人だからまたリアリティがある。(失礼)
誰にも信じてもらえなくてもボロボロになっても、必死に透明人間に立ち向かうセシリアの強さがすごい。終始、セシリア役エリザベス・モスの鬼気迫る演技が素晴らしかった。
自分が彼女の状況だったらどうするだろうと考えずにはいられない!
主人公は気付かないけど「そこいるーーーーっ!!」ていうシーンが多々ありハラハラしっぱなし。いつ何をしてくるかわからない高知能な透明人間(しかも元彼)て一番怖いかも。しかも存在をセシリアだけにわざと気付かせるっていう悪質さ。エイドリアンとセシリアの心理戦も見所です。
最後、何事もなかったかのように優しくしてくるリアル・サイコパス・エイドリアン(ほぼ全編透明だから、最初と最後の数分のみ本人登場)の笑顔の恐ろしさよ。
弟まで巻き込んでおいて!
実際、異常な束縛をする人はまず精神的に相手を孤立させて、他に逃げ場は無いと思わせるのが常套手段だとか。今回の束縛DV透明人間がまさにそれ。
彼の巧妙な復讐計画に振り回されてこのままモヤッと終わってしまうのかと思ったら、最後はちゃんとスッキリ。
あれ以上の終わり方は無かったでしょう。
観たあとは、透明人間に襲われたらどうやって証明するかっていう議論を繰り広げました。笑
まとめ
☆星 4.3 個☆
※近代的なのに妙にリアリティがあってそれも怖い。
※最後まで目が離せないストーリー展開が面白かった。