人気の映画レビューユーチューバー(多分アメリカ人)が、2019年のベスト映画第2位(だったと思う)に選んでて知ったこの映画。
『HERO』や『LOVERS』で有名なチャン・イーモウ監督の作品。(マット・デイモン主演の『グレートウォール』はちょっと意味不明だったけど)中国の大作映画ほぼ全てを手掛けていると言っても過言では無い巨匠。
アジア映画も侮れないと思わせるアクションと、水墨画のような美しい映像に感動。
騙されたと思って観て欲しい。びっくりするから。
ストーリー
炎国に敗れた沛国は、奪われた境州を取り返すため開戦派の重臣・都督と平和派の王との間で割れていた。ある時、都督は王に無断で炎国の将軍・ヤンと手合わせを申し込み、王の怒りを買う。
この都督、実は影武者。本物の都督は病に伏して館の奥に身を隠し、裏で影武者を操っていた。戦いの勝利と引き換えに自由の身になることを都督に約束された影武者は、妻のシャオアイが提案した新たな戦闘術を取り入れ、炎国のヤンとの戦いに備えて鍛錬に励む。
キャスト
都督/影武者【ダン・チャオ】
怪我を負って隠居する都督と、幼い頃から都督に支えてきた影武者との一人二役。都督を演じるため20kgの減量をしたらしい!全く違う2人をうまく演じ分けてました。もちろん肉体美も素晴らしい。笑
個人的にはバラエティ番組に出てる彼しか知らなくて、本作で真面目に演技してるのが若干違和感。本当は実力派だったんですね。(失礼)
妻・シャオアイ【スン・リー】
夫を献身的に支えながらも、影武者に惹かれていく揺れる妻。
病でボロボロな夫の前ではわざとらしいほど良い妻なくせに、凛々しい影武者に手を出す悪女(個人の見解です)。
なんと、この女優さん夫役ダン・チャオのリアル妻!夫婦共演だったのね!白い肌がきれいに映えてました。
王【チェン・カイ】
都督と対立する若き王。
イケメンだけど戦いを防ぐためなら妹をも売り飛ばす臆病で傲慢な王。
〜ここからネタバレあり〜
感想
静かな映像の中に響く琴の音、雨と影が作り出すモノトーンの映像が美しかったです。
戦闘シーンだけじゃなくても血のシーンが多め。個人的に血がドバーッ系は苦手だけど、モノトーンに赤のコントラストも狙いだったんだろう。
芸術的な視点で作られた作品って、ストーリーが意味不明だったりすることあるけど、本作はちゃんとストーリーもあって、最後まで目が離せませんでした。
キャラクターもそれぞれいい味出てたし。誰一人として良い人が出てこない。みんなしたたかな戦略家。この時代の人々はそうやって生き延びていたんでしょう。(謎)
個人的に特に好きだったシーンは、お姫様(ただのうるさい小娘だと思ってた)がヤン国に復讐するシーン。結局誰かに助けられて終わるのかと思いきや、命懸けでとどめを刺す彼女の強さが最高。
戦闘シーンは現実的じゃない部分もあったけど、最初から映像的に美しいことを重視して描かれてる映画だと思ったから私はあまり気になりませんでした。
雨がテーマだったから、あの傘の武器、アイデアは良し。攻撃よりも使ってる方が怪我しそうで見ててハラハラしたけど。笑
まとめ
☆星 4.5 個☆
※とにかく映像が美しい。
※先が見えないストーリー。