探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

Netflix『コラテラルー真実の行方ー』女性メインキャストで贈るイギリス社会への問題提起作

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イギリスのリミテッドシリーズ。

『華麗なるギャッツビー』でレオ様の憧れの人を演じたキャリー・マリガンが、全く違ったタイプのタフな女性警官を演じるサスペンスドラマ。

相変わらずかわいいけど、今作で彼女のかっこいい一面も見れた気がする。

(ちなみにピザ配達員役の彼は現在『スノー・ピアサー』でサブキャラを演じている俳優さん。)

 

 

4話だけの短い作品だけど、それぞれの内容が濃くて1話1話引き込まれた。

派手な内容じゃ無いし、終始淡々としたストーリーではあるけど、見応えあり!

 

 

イギリスのサスペンス系作品は中東系問題に着目した作品が多い気がする。

(ちょっと前に観た『ボディガードー守るべきものー』もそうだった。)

 

 

 

 

 

ストーリー

ピザ屋の配達員が射殺される殺人事件が起き、女性警官が操作に乗り出す。

しかし、事件の裏には大きな陰謀が関わっていることに気付き始める。移民問題やイギリスの社会問題に焦点を当てた社会派サスペンス。

 

 

 

キャスト

グラスビー刑事【キャリー・マリガン】

ピザ配達員の殺人事件を担当する女性刑事。元高飛選手。

 

アカデミー賞女優のキャリー・マリガンがクールな妊婦刑事役。

インタビューで警官役は自分に合わないのではと思っていたらしいけど、かっこよかった!相変わらずかわいい。

 

 

デイビッド・マーズ議員【ジョン・シム】

難民や移民の受け入れに寛容な労働党議員。元妻や友人が殺人事件に巻き込まれる。

 

政治的な立場と自分自身の意見との間で揺れる下院議員を演じる。

ちなみに元妻役のビリー・パイパーは今作で英国アカデミー賞助演女優賞にノミネート。

 

 

サンドリン・ショー【ジェニー・スパーク】

戦地で心に傷を負ったイギリス軍の女性少尉。

 

軍人家族の中で育ち、元軍人の父のように正しく強くいようとする凛々しい女性。物語のキーパーソン。

 

 

大物俳優が多数揃っております。

 

 

 

 

 

感想【ネタバレあり】

良質サスペンスを欲してるときに偶然見つけた今作、主演キャリー・マリガンじゃないの!!

『ドライブ』とか『華麗なるギャッツビー』の印象が強いキャリーが、今回は地味な女性刑事を熱演。疲れた雰囲気と男勝りな態度のグラスビー刑事役、意外にも良かった。

 

 

イギリスが直面する難民問題から、軍隊での女性軍人へのセクハラ、メンタルヘルス、同性愛聖職者、ドラッグなど、いろんな社会問題が盛り沢山。

登場人物はみんな最初の殺人事件に繋がっていくわけだけど、ちょっと盛りだくさんすぎる気がしなくも無いかな。

 

 

女性がメインのキャラクター構成だけど、流行りの”ガールズパワー”的じゃないのも良かったと思う。

キャリー・マリガンのキャラが主張しすぎず、脇役それぞれもしっかり存在感あったのが印象的。個人的には特に被害者青年の姉ファティマ(アード・カメル)がお気に入り。家族を守ろうとする賢く強い女性としての彼女はかっこよかった。

アメリカ作品だと悪者扱いされやすい中東系の人たち。こういう、存在感のある中東系女性が出てくる作品好き。

 

 

軍隊でのセクハラ問題とか、見ててほんと胸糞悪かったわー。

結局追い込まれるのは女性の方だし、信用していたはずの恩師にも騙されてたっていう展開が(分かってはいたけど)可哀想過ぎた。

お母さんも全然味方になってくれないし、女性の少ない軍隊の中では浮いちゃうし、彼女の孤独さが辛かったな。

 

 

悲惨な立場の難民・移民を利用して金儲けをしてるのが、実は身内だっていう皮肉ね。

てか、大体そうなんだろうな、世の中。笑

 

 

今作は、最終的に誰もハッピーにならないっていうのがまた深い。

でも、じめっとしたイギリスの天気のような作品の雰囲気も私は好きです。笑

キャリー・マリガン主役の刑事シリーズとして帰ってきてくれないかな。

 

 

 

評価

 

☆星 4.3 個☆

 

 

※淡々と進むストーリーに引き込まれる。

※豪華俳優陣のキャラが引き立つ構成。