一見クールに見える”詐欺”系犯罪。特に今作は実話で、被害者が大手企業や富裕層だということも理由かも。
こういう詐欺は必ずしっぺ返しが来る。そりゃあもう大きなしっぺ返しが。
アメリカ(おそらく、特にニューヨークは)にはこんな、怪しげで華やかな若者(?)はたくさんいて、その一人になるのなんてそこまで難しくなかったのかも。
彼女の強みは自信と欲の強さだと思う。笑
その自信と人を見極める目、説得力のある話術…きっとビジネスで大成功していただろうに。
アンナの自信満々な態度や言葉巧みな話術で、誰も(疑問を持っていたとしても)その真偽を確認しようとしなかったのかも。
高級レストランで片っ端から好きなもの頼んでる自信満々でリッチなオーラのあるマダムに「あのー、お会計大丈夫ですよね?」とは言えないよね。
「失礼になるかも」みたいな、暗黙の了解を実にうまく利用したのがアンナ・ソーキン(デルヴィ)。
令嬢のフリ、お金持ちのフリ、ビジネスに精通しているフリ…今作には、アンナだけでなく、どうにか上流階級に認められようと必死になる上流階級の人たちがいっぱい出てくるのもおもしろい。みんな、他人に認められようと必死。フリって重要ね。笑
閉ざされた田舎町で育って、雑誌の中の華やかな世界に憧れる人は多いかもしれないけど、アンナのように強い信念(ある意味)で、本当にその生活を手に入れる人って稀なんじゃないだろうか。
感想【ネタバレあり】
いつものことだけど、ネットフリックスの日本語字幕はイマイチ。笑
特に今作は音声と字幕が合ってないって言うのが致命的だったんだけど、これ私だけ?設定の問題?笑
期待されてた作品だっただけに、細かいところがちょっと残念だった。
でも、今作は音楽とか見せ方とか、ロゴの使い方とかがいちいちオシャレ。
ニューヨークの雰囲気もリアル。それぞれのキャラクターの個性やバックストーリーが特に個人的には好きだった。
誇張されてる所は多々あるだろうけど、それもクールにみえるよねー。
主演のジュリア・ガーナーは、女優としては好きだけど、この役は個人的にちょっと違和感があった。
アンナの不思議なアクセントもそうだし、いつもは可愛らしい子犬みたいな彼女も、今作では全っ然かわいくないの。それは狙ってやってたんだと思うけど。笑
ちなみに、作品内のアンナの前歯は差し歯をつけてたらしいですよ。
だからあんな話し方だったのかなー…?笑
ほんと、ジュリア・ガーナーはそれぞれの作品で毎回全くの別人になりきる演技力がすごい。
今度マドンナ役やるみたいだけど、そっくり過ぎる!!
もう一人の主役、ヴィヴィアン役のアナ・クラムスキは、流石の大げさ演技。
これもキャラクターなんだろうけど、ヴィヴィアンには何度もイライラさせられたわ。笑
”Inventing Anna Vivian”でググると、予想変換に”Annoying”て出てくるからそう思ったのは私だけじゃないはず。笑
ちなみに、他の役で好きだったのは、ネフ役のアレクシス・フロイド!!
アンナの真の友達はネフだけだったのかも。
この女優さんもっと注目されるべき!ネフのアクセントも好き。
あと、アンナの逮捕に一役買ったレイチェル役のケイティ・ロウェスも、おバカで卑怯な役が本当に上手いの。笑
モロッコでアメックスに電話してるシーンは爆笑。
最高だったよ、ケイティ!!
事実と比較
実際のアンナ
英語や字幕でみると、どうしても無視できないのがアンナの不思議な”アクセント”!!
このアクセントによってより個性的なキャラクターにはなっていたけど、これって必要だったのかな?笑
出所してからの最近のアンナ本人のインタビュー見たけど、確かに話し方に癖はあるけど、アクセントはそこまで強くない気が…ここ数年の間に変わったのかな。
ちなみに、これが今のアンナ。
ただ、作品のキャラクターのように自信満々でプライドが高いのは、話し方からひしひしと伝わってくる!笑
出所してすぐ、こんなにNetflixのドラマがヒットしちゃったらもう彼女は大満足でしょうね。
今作は、アンナと親しくなった記者の目線で描かれてるから、”ちょっとかわいそうな少女が超凄腕の詐欺師になった”シンデレラストーリー(捕まったあとは特に)みたいな内容。
でも彼女、一応犯罪者ですから。
あまりそのエゴを助長するような雰囲気は良くないと思うけど。
インタビュー見る限りではいまだに何一つ反省していないようです。再犯が起きないといいね…
ちなみに、記者ヴィヴィアンのモデルとなったジェシカ・プレスラーは、コンスタンス・ウー主演の映画『ハスラーズ』の事件について取材した、やり手のジャーナリストです。
どちらも女性が上流階級(の男性)を餌食にする話。
そっち系に強い記者なのかな?こういう話面白いけどね。
アンナの恋人
恋人は、新進気鋭のIT起業家・チェイスだけど、実際のところは不確からしい。
ただ、TEDトークに出演していた人物であることは確かで、有力だと思われている人物は、韓国出身のアメリカ人、ハンター・リー・ソイクという実業家。
彼は社交的な人物で、若くしてすでに成功しており上流階級やセレブリティとも親しくしていたことから、彼との交際がアンナの交流関係にも大きな影響を与えていたそう。
作品内のチェイスと同様、養子であること、夢を管理するアプリの制作に関わっていたことは事実。ヴィヴィアンが電話でインタビューするシーンで、チェイスはドバイにいたけど、ドバイの会社で顧問を務めていたことも。
その後、世界中のいろいろな企業で顧問や役員をしており、現在は香港の企業で専属顧問を務めているそう。すごいな。
今作で、友人達はみんなそっくりな俳優を使ってるのに、恋人役はアジア人キャストでもないという…おいー。苦笑