探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

映画『ジェントルメン』ギャングの紳士的(?)かっこ良すぎるドタバタ抗争コメディ

お久しぶりです。

ちょっと日本に帰っていまして、向こうが楽しすぎて全然映画観る暇無かったんですが(?)、唯一観たのがこれ!!

久々のレビューです。

 

結構長いからって、見るタイミングを見計らってたんだけど、その長さを感じさせないストーリー展開で、飽きることなく最後まで楽しめました。

 

ガイ・リッチーの映画はすごく好みなんですが、今作もまた面白かった!今作は脚本も原案もけれが手がけているよう。

コメディ調ながらもストーリーが凝ってるし、カメラワークも雰囲気もおしゃれ。登場人物の遺書がいちいちオンポイントだったし、かなり好みだった。

そして、ジョークと本気のギリギリをいく謎の演出にもニヤニヤしてました。

 

紳士(ジェントルマン)といえばイギリス人だけど、登場するのは”外国人”達(マイケルはアメリカ人だし、中国マフィアとロシアンマフィアも出てくるし)。インターナショナルな時代ですからね。

で、結局みんなが怖いのはロシアンマフィアなんだなっていう。笑

 

作品自体は長いけど、ストーリーが次から次へと展開していくから、飽きることなく観ていられました。キャラクターがいちいちみんな濃くて面白い。

そして、最後はどんでん返しが止まらない。笑

 

!!追記!!

ネットフリックスで、ジェントルメンがドラマ化!!

こちらもガイ・リッチーが手がけていますが、ドラマ版のキャスト総入れ替え(主演はテオ・ジェームズ)で、ストーリーも設定もちょっとずつ異なっています。

こちらも見たらレビューいたしますー!

 

感想【ネタバレあり】

ストーリーの最初から最後まで、マイケルがいかに優秀な犯罪者でビジネスマンかを証明する映画です。要は。

その成功の裏にはやっぱりいつも、優秀で忠実な部下達の存在があるわけだけど。

 

マイケル役のマシュー・マコノヒー、さすが存在感が違いますよ。

そしてとにかくスマートなのよ、計画が。貴族を味方につけるところやら、地下の施設やら。。。

実は、ヨーロッパでは近頃本当に貴族の末裔達が祖先が立てたお城や土地のせいで破綻するっていうケースはよくあるらしいですよ。

 

まず、レイとフレッチャーのやり取りからストーリーが始まって、嫌味な会話に少しずつ引き込まれていく。

フレッチャーのウザさと悪賢さはピカイチなんだけど、後半に進むにつれて状況は錯綜していって、二人の駆け引きが面白くなっていく。

 

ヒュー・グラントは勝手にラブコメとかのイメージが強いんだけど、こんなウザ親父の役もできるのね。甘いマスクで世界中を魅了していたあの頃がちょっとだけ懐かしいけど。。。

色眼鏡かっこよかったけど、最初は「誰!?」てなった。よりフレッチャーの悪賢さを際立たせててよかったわ。

 

レイ役、チャーリー・ハナムのメガネ姿かっこよかったなー。レイはひたすらいいやつなんだよねー。お茶目なところもあるし。フレッチャーとのやりとりも、可愛くてニヤニヤしてしまった。

しっかりマイケルの右腕として働く忠実は手下であるレイ。ローラを連れ戻すミッションのシーン見て、犯罪組織で働くって結構大変だなー、とか思ってしまった。笑

 

中国マフィアは、マイケルとレイの関係とは対照的に、静かに怖いジョージ卿とドライ・アイのコントラストがよかったけど、マイケルがジョージ卿と対面するシーンがもうびっくりで笑っちゃった。簡単に裏切られて殺されちゃうジャージ卿、ちょっと可哀想だったなー。

 

『クレイジーリッチ』のヘンリー・ゴールディングが、今までとは雰囲気ちがうぶっ飛んだ役どころだったのが印象的。彼の”ジェントルメン”感を期待してたのに、まさかこんな役とは。

最後まで嫌なやつだったなー、ドライ・アイ。てか、なんだよその名前。笑

 

コリン・ファレルは、単に巻き込まれただけの一般人かと思いきや、ギャングの仕事めちゃ向いてるお人好しおじさんだった。絶対昔なんかそっち系のことやってただろ。笑

 

正直、コーチとボクサーたちの立ち位置は謎だったなー。一番のコメディ要素ではあったんだけど、この映画に本当に必要だったんだろうか?でも、コメディとしてこの作品を作ろうとしたら、こんなジャージ集団でも入れてみるか、となるかもしれない。彼らは愛されキャラではある。確かに。

 

あ、そうだ。マシュー役のジェレミー・ストロングもいたわ。笑

マシューは、成功してる割にはあんまり凄腕感ないなーと思った。(失礼)

彼は、最後にマイケルに、凍死するか自分の肉をえぐり取るか選べって言われてるシーンが一番印象的で、マイケルのこの提案復讐が一番クールだな、と思った。これはもう逃げ場ないでしょ。最高でしょ。笑

 

そんな強面マフィア?達に負けず劣らずかっこよかったのが、マイケルの妻、ロザリンド役のミシェル・ドッカリー!!

この二人の”パワー・カップル”感はものすごいよ。


ロザリンドは、マイケルとの関係もそうだし、自分もビジネスウーマンとして成功していて頭がキレる彼女の堂々とした姿は、ほぼ紅一点の今作でも存在感あった。

 

あの低い声とアクセントがかっこいいのよ、この人は。『ダウントン・アビー』ファンとしては、この人からメアリーを引き離すのに毎回苦労するんだけど、どんな役でも彼女の個性を活かしながら、役にぴったりで期待通りの演技をするんだよね、この人。かっこいいよーーーー!!

 

今作は、評価がものすごく高かったわけでもないし、”超ヒット”したわけでもないですが、それは、ジョークを織り込みすぎた演出のせいじゃないかなー。ちょっと味濃すぎたかも、て感じ。

 

私は嫌いではなかったけど、コメディとして作らなくても面白い映画になったと思うの。

このストーリーをもっとシリアスに作るか、少しだけコメディ要素を差し引いていたら、それもそれでかっこよかったと思うし。

でも、面白くなかったわけでもない。十分楽しめた。

 

とにかく、いろんなことが立て続けに起きて、いろんなキャラクターが登場して、ヒッチャカメッチャカになていくんだけど、最後は後味良く収めてくれるという、気持ちのいい映画でございました。