探偵Lの映画ブログ

カナダ在住の映画&ドラマオタクが探偵気分で映画をレビューするブログ

映画『オットーという男』トム・ハンクス主演のリメイク、おせっかい隣人との出会いで変わっていく偏屈老人を描いた感動作。

日本では3月10日に公開の話題作、一足お先に観てきました。

まだ公開していないので、感想はネタバレなしで書いてます!!

 

今作、またしてもなんの予習もなしに観たんですが、やはり、さすがだわ。

自分史上最も泣いた映画ベスト5に入る『ターミナル』、『グリーンマイル』のトム・ハンクス。

 

なーんか、雰囲気がヨーロッパ?ぽい?と思ったら、案の定ハリウッドのリメイクでした。笑

原作はスウェーデンの同名ベストセラー小説で、映画版は『幸せなひとりぼっち』。うん、聞いたことあるぞこの映画。

 

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ちなみに、オットーの若者時代は、実の息子トゥルーマン・ハンクスが演じています。

でもあんまり似てないんだよなー、この親子。笑

 

オットーはきっと日本でいう典型的な「老害」なんだろうけど、彼の孤独や寂しさは物凄くわかるし、共感できるはず。そして、そんな彼にお節介をかける新しい隣人の優しさと人懐っこさで救われる孤独や命があるとしたら、隣人愛って大事かも…って思うかも。

 

泣ける映画として紹介されてるけど、ディズニーの『カールじいさんの空飛ぶ家』のような温かさがあるストーリー(てか、オットーはそのままカールじいさんだと思う)。
カールじいさんで号泣した人はクリティカルヒットでしょうね。笑

 

余談だけど、ものすごーーーーーーく昔、子供の頃に読んだ『夏の庭 THE FRIENDS』っていう小説を思い出しました。おそらく児童向けですが、すごくいい本。おすすめです。

 

 

あらすじ

近所をパトロールしては隣人に説教して回ることを日課としている、偏屈な老人オットー(トム・ハンクス)。頑固者として知られているが、半年前に最愛の妻を亡くし、仕事も無くして生きる希望を失っていた。

そんな時、近所に越してきた新しい隣人マリソル(マリアナ・トレビーニョ)の一家と出会い、オットーの心に少しずつ変化が生まれる。

 

感想【ネタバレなし】

個性的なキャラクター達

もちろんトム・ハンクスは素晴らしいんだけど、正直それよりもサイドキャラたちの個性と優しさ、明るさがとにかく素敵。オットーとは対照的にいつもハッピーなマリソルとジミー(キャメロン・ブリットン)をはじめ、オットーと彼らとのやりとりがとにかく笑えます。

 

今作のもう一人の主役、マリソルのメキシコ系肝っ玉母ちゃん感最高!

オットーのような頑固親父にも物怖じしない陽気な彼女の性格が、オットーの心を少しずつ孤独から救い、そこに絆が生まれていく、そんな二人の関係性が素敵なのよー。

 

幸せなひとりぼっち

原作の邦題が『幸せなひとりぼっち』なだけあって、こんな隣人達に恵まれたオットーは、ほんと世界一ラッキーな偏屈親父*1だと思うわけ。

 

オットーみたいなお年寄りっていーーーーぱいいると思う。

オットーみたいに、まわりは彼らの過去や事情なんて知らないから老害扱いされてるかもしれないけど、ちょっとした出会いやお節介に救われる人もいるのかも。

 

実際にマリソルの一家とオットーのような、家族ではないけど支え合う、こういう関係があったら素敵なのに、なんで現実はこううまくいかないのかなー、なんてちょっと切なく考えを巡らせてみたり…

 

残念だったのは…

ストーリーは最高なのよ。さすが世界的ベストセラー。

ただ、残念なことがあるとしたら、ところどころで謎のCGシーンが度々出てくる。

「これCGにする必要ある?」ていう、明らかなCGのせいで気が散ってしまうことが残念だった。相棒の猫さえもCG。そこまでする必要ある?と。

 

正直、トム・ハンクスの映画はもっと泣けるやつ他にある。

ただ、今作に関しては、泣けるんだけど、悲しくはなくて、観終わった時には少し優しくなれたような気がする温かさを残してくれる作品だった。原作も読みたいなぁ。

 

評価

星 4.5/5 個

 

*ストーリー、キャラクターは最高。原作のおかげかな。

*オットーの心情や生活の変化がリアルで切なくて、その表現が絶妙。

*個人的に、CGのシーンがとにかく残念だったからちょっと減点。

*1:今作で度々出てくるHOA(Homeowner Associacion)は、現在まさにアメリカでものすごく嫌われている(要は地域の管理団体)団体で、それ系のおじちゃんってだけでもう…苦笑